膿が出ている、水疱になっている傷はハイドロコロイドばんそうこうを使えない

基本的にはハイドロコロイドタイプのばんそうこうは切り傷、擦り傷などの外傷に使用できるというが、気をつけてほしいのがハイドロコロイドタイプの絆創膏を使ってはいけいない傷だ。

・膿が出ている傷

「ハイドロコロイドで覆うと、菌が繁殖する恐れがあります。はじめはそうでもなかったのに傷の周りが赤くなる、ズキズキする痛みがある場合は、医療機関を受診してください」

・水疱(水ぶぐれ)になっている

「火傷や靴擦れなどで水泡になった状態の上にハイドロコロイドタイプのばんそうこうは貼らないようにしてください。水疱の中の体液には傷を治す成分が含まれていて自然な湿潤療法となっているので、その上にハイドロコロイドタイプの絆創膏を貼ると皮がめくれてしまいます。

水疱はそのままにしておくか、当たらないように保護するタイプのばんそうこうを使いましょう。

ちなみに水疱がつぶれて皮は向けて赤くなっているなら、ハイドロコロイドタイプのばんそうこうを使用してもらって大丈夫です」

皮がむけてしまったらハイドロコロイドのばんそうこうを使う
皮がむけてしまったらハイドロコロイドのばんそうこうを使う

・傷ではないもの

「湿疹、かぶれのようにかゆみがあるもの、虫刺され、水虫、原因がわからない水疱など傷ではないものにはハイドロコロイドタイプの絆創膏を使用できません」

・出血が多い傷

「まずは止血すること大切です。出血がおさまってからばんそうこうを貼るようにしてください」

・ぱっくり大きく開いてしまった傷

「ばんそうこうで傷が寄せられない場合は医療機関を受診してください」

 また、傷以外の部分も広範囲でハイドロコロイドで覆ってしまうと、皮膚がふやけてしまったり、ばんそうこうがはがれやすくなったりしてしまうので、傷の部分はハイドロコロイド、傷のまわりの健康な肌にはしっかり固定できるテープが付いたばんそうこうを選ぶのがポイントだ。

特に夏場のような多湿な時期には注意が必要。

「ハイドロコロイドタイプのばんそうこうの使い方ですが、傷口の異物や汚れをしっかり水道水で洗い流してから、水分をふき取り、消毒液やクリームを使わず、傷口にばんそうこうを貼ります。皮膚がふやけないよう、傷に合ったサイズのものを選びましょう」

<種類多すぎ!?>意外と知らない「ばんそうこう」の正しい選び方。使い方を間違えると菌が繁殖したり、皮がめくれあがり…_5

ちなみに、ハイドロコロイドタイプのばんそうこうは、2~3日くらい貼り続けていても問題ないそう。

「貼ったまま2~3日経ったら1度はがして、傷口の様子を観察し、新しいものに替えるようにしてください。また、はがすときも乱暴にはがさないように注意が必要です。

皮膚をいためないように体毛の流れに沿ってゆっくりはがしましょう。貼り替える前に傷口を水道水で洗うようにするとよいでしょう」

何気なく使っているばんそうこうだが、正しく使うことで傷は早くきれいに治る。

怪我をしても慌てず、まずは傷口を洗ってから、ばんそうこうを使用するように心掛けたい。

取材・文/百田なつき