クレヨンしんちゃんホラーの歴史

それにしても、いつからクレヨンしんちゃんのホラー回がここまでのキラーコンテンツになったのか。“クレヨンフルエンサー”を目指しているかずみんさん(@crayonkazumin)に話を聞いた。

「手軽に一生忘れないほどの恐怖やトラウマ、加えて笑いまでも味わいたいならクレしんホラーだ……との呼び声高いクレヨンしんちゃんにおけるホラー回。

1997年夏に全パートをホラー回で構成した『クレヨンホラー劇場』が好評を博して以後、不定期でホラー要素のある話が放送されるようになりました。初期はギャグ調のコミカルなものも多かったのですが、徐々に笑い一切なしの作品が次々と生み出されていき、特に”なぐられウサギ”シリーズ、劇場版の『伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!』は多くの子どもたちにトラウマを与え、“クレしんのホラーはヤバすぎる”ということがファンのみならず世間にも認知されはじめました。

私が、クレヨンしんちゃんというメディアとホラーの相性が抜群にいいと思う理由は、普段は実在する地名や時事ネタも取り込むような日常モノで、我々の過ごす現実世界のようなリアリティがあることに加え、ホラー回では子どもならではの視点で恐怖を追体験できるところにあると思っています。

小さい頃に感じた、いわゆるお化けのような”異質”への恐怖をしんちゃんはじめ、妹のひまわりや幼稚園のお友だちという子どもの目線で感じることができるので、より詳細に”異質”と対峙したときの無力さ、絶望、諦めを体感することができる珠玉のホラーが完成するのです。ファンとしては、“しょせんクレヨンしんちゃん”と油断している幅広い年齢層にご覧いただき、ぜひともトラウマを植え付けてほしいものですね」

「オラは見た!カスカベ都市伝説ガチャガチャ人間だゾ」©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
「オラは見た!カスカベ都市伝説ガチャガチャ人間だゾ」©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
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31日の放送では、どんな手法で視聴者を震撼させてくれるのだろうか。クレヨンしんちゃんホラー回の新たな伝説が生まれることを期待したい。

取材・文/集英社オンライン編集部