マンションの管理人を直撃すると…

ではやっぱり宅配業者が悪いのだろうか。入居者の40代の女性にも話を聞くことができた。

「炎上の件は知りませんでしたが、この貼り紙は前からずっとありましたよ。ここは結構キレイに管理してるので、タイルの傷とか気にしてたんじゃないでしょうか。

自分はクレームは入れてないですけど、ここは家族の入居者が多いのもあって、結構厳しい管理だなと思って見てました。出入りに関しては、床を傷つけるから台車も使えなくて、使うなら養生カバーをしないといけません。引っ越しの時も全部そう。

台車も使えないなんて、Amazonの方も可哀想だと思いますが、そういう厳しさのおかげで中がキレイには保たれてるから、そこは住人としては嬉しくもあります。

貼り紙はさっきはがされたけど、ただはがしただけなのか、バッグや籠の利用が解禁されたのかはわからない。たぶんはがしただけでしょうね。高いマンションだから、ある程度仕方ない気もします」

貼り紙は、はがされていた(住人提供)
貼り紙は、はがされていた(住人提供)

取材中、“現場”のマンションでは、ひっきりなしに宅配業者が出入りしていた。

荷物を運ぶ配達員はみなカートを利用することもなく手で荷物を持っており、ウーバーイーツや出前の配達員もバックをおろし気をつかっている様子だった。

同マンションの管理会社のスタッフに声をかけるとバツが悪そうにこう答えた。

「ごめんなさい、私、管理会社の者なんですけど、うちの広報センターを通していただかないと。入居者の方で答える方はいらっしゃるかもしれないですけど、管理会社としては広報を通してしかお答えできないので。私としては、何もお答えできる立場にありません」

どういう経緯で貼り紙をし、それをはがしたのか管理会社に問い合わせてみると、こんな答えがメールで返ってきた。

<弊社コメント>
お尋ねの「宅配業者向けのお知らせ」につきましては、配送業者が荷物を配達する際に用いるプラスチックダンボールなどでマンション内の壁紙や床が傷つく事案があり、注意を呼び掛けるために約2年前から掲示していたものです。

今回、不適切な掲示ではないかとのご指摘があったことから、あらためて確認したところ、注意を促すという趣旨から逸脱した表現があったことから、掲示はすでに撤去いたしております。今後は、注意を促す際にも掲示内容に十分留意しながら、配送業者の皆様に理解と協力を得てまいりたいと考えております。

さらなる”宅配業者イジメ”が起きないことを祈りたい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班