初期の段階では自覚症状はない

食道がんには主に扁平上皮(そうへんじょうひ)がんと腺がんの二つのタイプがあります。

食道の一番内側の粘膜は重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)で覆われていて、そこにがん細胞が発生するのが扁平上皮がんで、日本人の食道がんの90%以上はこのタイプといわれています。

近年は、逆流性食道炎と関連が深く、胃酸が逆流を繰り返すことで食道の粘膜が胃の粘膜に置き替わるバレット食道の状態になり、バレッド食道腺がんも増加傾向にあります。

食道の粘膜で発生したがん細胞は、大きくなると外側に広がっていきます。食道の周りには気管、肺、心臓、大動脈があり、がんが食道壁の外にまで広がるとすぐにこれらの臓器にも浸潤(がん細胞が広がること)します。

がん細胞が食道の壁のリンパ管や血管から侵入し、リンパ液や血液の流れに乗って他の臓器やリンパへと到達し、転移が起きるのです。

このようにがんの発見や治療が遅れることで、治療はさらに困難になり、大掛かりな手術になることも。そのために早期発見、早期治療は大切です。

食道がんは初期の段階ではほとんど自覚症状は出ませんが、食道がんを疑う5つの症状があるので見逃さないようにしましょう。

《食道がんを疑う5つの症状》男性に多い食道がん。喫煙と飲酒、さらに夏に食べたくなるアレが好きな人も要注意_2