知らない人が突然やってきて「トイレ貸して」
どうやら同じ墨田区内でも、区がしっかりと管理してゴミ問題対策をしている場所とそうではない場所があるようだ。
だが、花火大会当日はゴミ問題以外にも、近隣の住民を悩ませている問題がある。場所取り合戦は毎年熾烈を極めており、中には立ち入り禁止の柵を超えて侵入したり、私有地の庭やマンションに勝手に入ってしまう人も多いのだ。
花火大会の公式サイトでは、〈他人のマンションや敷地内に無断で立ち入り行為は犯罪です。絶対に行わないでください〉〈防護柵へ登ったり、防護柵の中に入ったりする行為は、危険ですのでおやめください。大切に育ててきたコスモスやヒマワリなどがおられるなどの被害を受けています。環境保護にご協力お願いいたします〉と注意書きがされているが、このようなマナー違反をするような人が、公式サイトの注意書きをわざわざ見るはずもないだろう。
大会当日は大混乱を避けるために交通規制もされており、普段は使えた道が使えなくなっているルートがある。グーグルマップの示す道を進むことはできないのだが、それを無視して、規制の柵を破って進んでしまうものもいるというわけだ。
さらに来訪者の中には、急に家のチャイムを鳴らして、「トイレを貸してください」「ベランダで花火を見させてください」などとお願いしてくる人までいるという。
「ベランダで花火を見させてください」に関してはもはや呆れるしかないが、トイレ問題に関してはバッドマナーとして片づけられない面もある。当日は、会場近くの飲食店は混雑や混乱を避けるために営業を休止している、あるいはテイクアウト専門にしていることが多く、ほとんどのコンビニもトイレの貸し出しを不可にしている。
そのため、トイレする場所がまったくなくなってしまうのだ。言うまでもなく駅のトイレは大行列。そもそも会場付近の駅はそこまで大きくないため、人の出入りだけで精いっぱいの一方通行状態で、一度地上に出てしまうと、再入場することも難しい。
切羽詰まった人が、バッドマナーを承知で付近の家にトイレのお願いをしてくるのだろうが、当然、住んでいる人からするとたまったものではないだろう。
毎年、何らかのトラブルが起こっている隅田川の花火大会。今年はいったいどうなってしまうのだろうか。まずは、全員がゴミのポイ捨てをやめるよう、努力してもらいたい。
取材・文・撮影/集英社オンライン編集部