「この人となら、辛いことも一緒に乗り切れる」

––––どういう流れで付き合うことになったんですか?

ハヤトさん タカフミが看護師1年目だったころ、仕事でけっこう落ち込むことが多くて、ご飯も全然食べられていなかったんです。「昨日何食べたの?」って聞いたら「うまい棒3本」とか「お菓子で夕食済ましている」って言うので、「じゃあご飯作りに行くよ」ってなって。

押し掛け妻みたいな感じで、彼の家にご飯作りに行ったり、洗濯しに行ったりするようになったのがきっかけですね。

交際を始めたころのハヤトさんとタカフミさん(公式インスタグラムより)
交際を始めたころのハヤトさんとタカフミさん(公式インスタグラムより)

––––結婚を意識し始めたのは、どのタイミングですか?

ハヤトさん 彼の部屋に初めて行ったときに、足の踏み場がないほど汚くて、「よくこの状態で人を呼んだな」という感じだったんです。それで一心不乱に排水溝やお風呂を掃除したんですが、そのときに「この人のためなら、こういう汚い仕事もできる。それなら辛いことも一緒に乗り切れるんじゃないかな」と思い、結婚を意識するようになりました。

––––2015年ごろは、世間のゲイに対する印象はどういう感じでしたか?

ハヤトさん テレビ番組などの影響で、“ゲイやオネエは、おもしろい人やちょっと変わった人”みたいな印象があったので、職場とかでしゃべり方や身振りを馬鹿にされることがありました。でも2020年あたり以降、BLドラマなどが普及するようになってからは、そういうことはあまり言われなくなりましたね。

––––当時、2人の結婚に対する周りの反応はどうでしたか?

ハヤトさん 友達に結婚することを伝えると、「じゃあ海外に行くんだ」とか言われることもあって。その言葉を聞いたとき、「“男同士が結婚する”ということを、日本の一般の人たちは根本的に考えていないんだ」とすごく衝撃的でした。「自分たち、日本じゃまだ許されてないんだ」と感じましたね。