「“つば”がお友達にぶつかりケガをした、といった苦情が学校に入った」

7月に入ってから日に日に気温が高くなり、熱中症対策を意識する季節となってきた。
筆者の息子は都内の公立小学校に通っているが、体育の授業で使用する赤白帽に“つば”がない。

学校関係者によると区の大半の小学校は20年以上この“つばなし赤白帽”を推奨しているが、ここにきてある“論争”がおきている。

「これじゃ、ウルトラマンに変身できないですね」

東海地方出身で昭和生まれの筆者は、赤白帽を半分にして縦にかぶりウルトラマンに“変身”することが度々あった。「そんな思い出話はどうでもいい」とあるママ友は筆者の言葉を切り捨て、真剣な表情でこう訴えた。

「これから日差しも強くなる。帽子としての機能は果たしているのか?」「目に紫外線が直接当たってしまうので、目を傷めてしまう可能性はないのか?」

「まるで給食当番の帽子みたい」と保護者は話していた
「まるで給食当番の帽子みたい」と保護者は話していた
すべての画像を見る

たしかに日よけがない“つばなし帽子”では、猛暑日が続くこれからの時期、あまりに頼りない。ではなぜ“つば”がないのだろうか?都内で学校に赤白帽や体操服、上履きなどを長年販売している洋服店の店主はこう話した。

「“つばなし”はマット運動のときに邪魔にならず運動ができますし、また『“つば”がお友達にぶつかりケガをした』といった苦情が学校に入ったという噂もあります。狭い東京の学校だからこそ重宝されてきたのかもしれません、このあたりの小学校はたいてい“つばなし”が主流です」(洋服店店主)

“つばあり”の一般的な赤白帽
“つばあり”の一般的な赤白帽

区の教育委員会に問い合わせると、赤白帽の種類については各学校の判断にゆだねており教育委員会は“管轄外”であるが、半数の学校が今も“つばなし赤白帽”を推進しているという。