「テレビ電話時代!?の巻」(ジャンプ・コミックス第93巻収録)
今回は、亀有公園前派出所にテレビ電話が導入されるお話をお届けする。
勤務中に競馬に出かけようとする両さんだが、テレビ電話の画面越しに部長にしっかりと見張られて四苦八苦。そこで一計を案じた両さんは……?
基本的には部長の目を誤魔化してサボろうとする両さんのドタバタ劇なのだが、なぜ本作を「災害ウィーク」特集で取り上げるのかというと……本作が掲載されたのは、1995年3月21日に発売された「週刊少年ジャンプ」16号で、何ページにもわたって地震に備える防災や復興について述べられているためだ。その理由は……。
1995年の1月17日、日本は大きな災害「阪神・淡路大震災」に見舞われた。5時46分、淡路島沖の明石海峡を震源として、マグニチュード7.3、最大震度7の地震が発生した。これによって生じた被害は戦後の自然災害によるものの中で最大級であり、死者が6434人、行方不明者3人、負傷者43792人、そして被災家屋は約640000棟だったという。
物流はもちろん、水道や電気、ガスなどのインフラへの被害も甚大だった。山陽新幹線、阪神高速の高架橋が倒壊した様子をメディアで目にしたときの衝撃を覚えている方も多いだろう。
日本は地理的に、台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などの自然災害が発生しやすい国土だ。2001年の東日本震災、2016年の熊本地震、2017年の九州北部豪雨、2021年の熱海市伊豆山土砂災害、そして昨年の能登半島地震……と、阪神・淡路大震災以降もさまざまな災害が起こっている。
そう、今日にでも自然災害に見舞われる可能性があることを忘れずに生活していきたいものだ。
なお、阪神・淡路大震災にまつわるお話をもう一話、9月2日からお届けする予定だ。
最後に、本作が掲載された「少年ジャンプ」のあとがきページでの、秋本治先生のコメントをご紹介しておこう。
それでは次のページから、両さんと彼のおサボりに目を光らせる部長との攻防戦をお楽しみください!!