キーボックスを破壊して事務所に侵入
プロ野球選手を辞めてちょうど1年が経ったころに清掃業を始めた滝野氏は、当時の月刊誌のインタビューで「やっと腹を決められたんですよ」「ようやく“極めたい”と思える仕事が見つかったんで」と並々ならぬ熱意を語っていた。
しかし実際のところ、その熱意もすぐに冷めてしまっていたようだ。
「最初は仕事を覚えるために私と一緒に現場を回っていましたが、数週間後には滝野は1人で回るようになりました。すると、クライアントから『清掃したとは思えない』とクレームが入るように。
確認すると、明らかに清掃した形跡がないので滝野を注意しましたが、表向きは素直に聞いて『頑張ります』という姿勢を見せていました。
ただ、その後もクレームは続きました。しかも、お金に関しても10月、11月に数十万円ずつ貸しており借金の総額は160万円を超えています。お金がないと言っていたので滝野に『会社の事務所に無料で住んでいい』と言ったのですが、そこに20代くらいのシンガーソングライターの彼女と住み始めたりやりたい放題でした」(Aさん)
そして内装会社で勤務し始めて2カ月後、滝野氏は「野球をやりたいから、週5日勤務にしてほしい』と言い出したそうだ。「勤務日数が減る分、12月から給料は下がることになる」と会社が告げると、滝野氏もそれに納得。しかし年末年始休暇明けの1月7日、滝野氏は無断欠勤をした。
「このとき、滝野と2日間も連絡がつかないので彼女にも連絡を入れたのですが、彼女とも連絡がとれなくなって。『このまま飛ぶだろう』と思ったので、事務所の鍵穴の上に蓋を被せて、キーボックスをつけました。滝野は事務所に住んでいて鍵を持っていたのですが、事務所には会社の備品もあるので、中に入れないようにしたんです。
すると、1月10日に滝野から『荷物があるので開けてください』とLINEが来たので、『今日は無理です。私物に関しては立ち合いのもと渡すので、明日の仕事が終わる時間に来てください』と伝えました。
すると、滝野は1月10日に鍵を壊して事務所の中に入り、置いてあった彼女の私物や、ひとつ2万円くらいする新品の工具を4つ、それから会社のノートパソコン、Wi-Fiルーター、あと携帯電話を2台持っていきました。
すぐに葛飾警察暑に被害届を出しにいきました。さらに驚くことに滝野は1月10日のあとにも鍵を壊し事務所に侵入しています。
滝野が1月10日にキーボックスを壊した後、こちらでまた別のキーボックスをつけていたのですが、2月に事務所に行くと見覚えのないキーボックスに変わっていました。しかも同時期に、依頼者が滝野の名前となった鍵業者からの請求書が会社宛てに届きました。壊して入ったことを隠すため別のキーボックスをつけていったのだと思います。
警察は、窃盗として捜査するのはパソコンとWi-Fiルーターのみだと言っていて、ほかは捜査の対象にはならないみたいです。携帯などは会社として滝野に貸し出しているので、窃盗にはならないとのことで。事件に関しては、今も捜査中です」(Aさん)