市は「思いもよらないところからロケットランチャーなどが…」
同課担当課長も、真剣な表情でこう訴える。
「今回は思いもよらないところからロケットランチャーなどが出てきたということで、近隣住民の方が安心、安全に過ごせるような対策が重要になります。暴排はすぐ結果が出るものではないので、今後も手を緩めることなく続けていくしかありません。
市の事業から暴力団を徹底的に排除するとともに、民間企業に不当な要求はないかなど聞き取りを続けています。また、暴力団追放大会で地元の意識を高め、さらに事務所撤去のために住民が民事訴訟を起こした場合の弁護士費用の支援や、構成員を暴力団から足抜けさせるための社会復帰支援も行なっています。
元暴力団員が就労する場合に必要な資格取得の援助や、転居が必要な場合の資金援助もしています。北九州市としては、このように真面目に取り組んでいますので…」
そうは言っても地元住民たちの心中は穏やかではない。
「いやー、ビックリしましたよ。見つかったのは紫川の河川敷横にある公園の駐車場脇の空き地で、草がボーボー生えてるところだから、誰も気づかなかったんだろうね。その公園も、昼間に誰かが遊んだりするような場所じゃないから、あまり人通りは多くないですよ。
でも住宅街が近くにあるから、朝や夕方なんかは散歩に出る人はいるだろうね。それでたまたま散歩してた人が見つけたって話でしょ? あそこら辺は昔は農家だらけで、今でこそ住宅街になったけど、のんびりとした治安のいいところで組事務所なんてものはないですよ。
ただ、小倉にとって紫川は重要な河川やけんね。上流のほうにはまだ農家もあって紫川から水を引いているし、飲料水としても重要な川。そんなところに物騒なもん捨てて、なんてことしてくれたんだという思いはあります。
5月に紫川の中流で行なわれた鯉のぼりイベントでは、600匹もの鯉のぼりが小嵐山を背にたなびいて、多くの子連れの家族も訪れた。そこから場所はちょっと離れてますけど、その時期にすでにロケットランチャーが捨てられてあったと考えると恐ろしいもんです」(小倉南区長行地区自治会長)
足を洗いたい暴力団関係者が処分に困って捨てたのかもしれないが、地元にとっては迷惑な話でしかない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班