生活習慣を改善しても症状が継続する場合は薬治療に
過敏性腸症候群の治療は、まずは生活習慣を改めることが一番です。生活習慣がよくなれば腸内細菌のバランスがよくなるので、過敏性腸症候群の症状は改善していきます。規則正しい生活、睡眠をしっかり取る、運動の習慣をつける、高脂肪食を摂りすぎない、アルコールは控えるなどしましょう。
また、食事は食物繊維を摂るように心がけてください。発酵食品など、腸内環境を整える食事もおすすめです。
またできるだけストレスを溜めないようにするのもポイントです。
生活習慣を改めても改善しない、また早く治したい場合は薬を使って、腸内細菌のバランスを整えていくのが一般的です。
薬で症状をコントロールすることで、ストレスが軽減され、腸内細菌のバランスもよくなっていきます。
同時に生活習慣も改善していけば、下痢や便秘も少なくなるので、悩んでいる人は消化器内科を受診してみましょう。
生活習慣を変えても、2週間以上、下痢や便秘が続いている、市販薬を使っても便秘が苦しいという人は一度、大腸内視鏡検査またはCT検査を受けたほうがいいでしょう。
下痢やお腹が痛くなる症状は大腸がんや潰瘍性大腸炎の可能性もあるので、症状がつらい人は受診をおすすめします。
下痢や便秘、腹痛は身近な症状だけに、過敏性腸症候群とは気づかず、いつものことだからと過ごしているという人は多いと思います。症状が長く続くと悪化するので、我慢せず、早めに一度医療機関を受診してください。
取材・文/百田なつき