「コロし…、消してほしい人がいるんだよね」
殺人容疑では2人目の逮捕者となった佐々木容疑者は2月中旬に上京し、サンエイ系列店が並ぶ「宝島ロード」と呼ばれる一角で、サンエイとは無関係のバーの客引きをしていた。
「キャッチをするときはスーツとネクタイでピシッときめ、敬語もきちんと使って客とのトラブルは一切ありませんでした。愛想がよかったので店の女の子たちとも仲がよかったようです。しかし酒を飲むと豹変し狂暴になっていました。
一度、夜道を歩いていて若い男性と軽くぶつかり、向こうが一言二言なにか言った瞬間にとびかかって相手をボコボコにしたことがあります。大慌てで止めに入って佐々木を押さえつけ、相手に『逃げろ』と言って逃がしたことがあります」 (飲食店関係者)
佐々木容疑者の“凶暴性”を証言するのは一人ではない。別のバー店主もこう話す
「佐々木は自身も福岡時代に女の子の店をやっていたからか接客態度にも厳しい。先月もあるガールズバーで新人のボーイが粗相をしたら『オモテでろ』『クシャクシャにして歩けなくするぞ』とそのボーイを店の外につれだし迫っていました。
顔を相手の鼻にあたるくらい近づけてメンチきって、ボーイは泣いてましたね。他のコンセプトカフェでも“顔見知り”のお客が女の子に偉そうにしていたら『態度が悪い』とボコボコにしていました」
そんな佐々木容疑者が犯行グループに入ったのは驚くほど場当たり的な経緯だった。佐々木容疑者が上京してから一か月半後の4月初旬、関根容疑者はまず別の人物に殺人計画への加担を求め、断られたので直後に次の佐々木容疑者に声をかけたとみられる。
♯26において、関根容疑者から最初に声をかけられたという飲食店の店長、Y氏は集英社オンラインの取材に対し「(関根容疑者から)『お願いしたいことがある。コロし…、消してほしい人がいるんだよね』と言われました。無理じゃないですか。俺も仕事あるし、生きないといけないし。とりあえず面倒くさいので『いいです』って断ったんです」と証言した。
Y氏によると、その後、仕事を通じて面識があった佐々木容疑者から、使用者のアシがつかない“飛ばし携帯”が「6台ぐらい」手に入らないか、との依頼もきたという。
「できないことはないけど、でも何に使うのって(断りました)。そんなの、リスクじゃないですか。(関根からの依頼を)俺が断ったから佐々木にいったんだと思います」(Y氏)
佐々木容疑者が求めていた6台という台数は現在まで判明している犯行グループの人数と一致する。
「殺人容疑での再逮捕前、佐々木は関根から『4月上旬に犯行の計画を持ちかけられ、逆らえなかった』といった内容の供述をしています。捜査本部は佐々木がカネで転んだ可能性も視野に、殺人に加担した経緯を詰めています。
今のところ関根が1500万円を佐々木に渡し、佐々木が100万、平山が900万、若山と姜がそれぞれ250万円ずつ手にしたとの構図が出ていますが、いくら何でも安すぎるという見方もあります。
これらの金が“手付け金”にすぎず、犯行後に追加で支払われる約束がなかったかどうかや、また前田容疑者にいくら渡ったのかについても、捜査本部は6人を追及しています」(社会部デスク)