「脳腫瘍ができた」「事故を起こした」と何かと理由をつけて…
「当時私はペット関連の仕事をしていて、セイハ(誠端)はそこに来たお客さんでした。同い年ぐらいの彼女を連れてきていて、その彼女が穿いていたダメージジーンズを『お前、こんなの穿いてくんじゃねえよ』と上から言っていたのを覚えています。
私に対して『自分は常識人なんだ』というアピールのために彼女をダシにしたのかもしれません。私が知り合ったときは、大手の携帯電話ショップと契約してシステムかなんかをやる会社を経営していると言っていました」(関根容疑者の知人女性)
当時から「セイハ」は人たらしだった。
「あれだけ刺青をいれていますが、話すとすごく人なつこいんですよ。チャラいのか“おバカ”なのか、それでも乗っている車はゲレンデだし『商売は頑張ってるのかな』とそんな風に思っていました。
年上の私にタメ口で接してスルッと懐に入ってくる感じでした。その1年後、再び私の仕事場に来たときは、40代の成城の『令嬢』を連れてきました。私はその後、この令嬢と仲良くなり、彼女がセイハに2000万円以上ものお金を取られていたことがわかったんです」
この40代「令嬢」と「セイハ」はどんな関係だったのだろう。
「その令嬢は私たちとは貨幣価値が違うといっていいレベルのお金持ちだったので、2000万円といってもそれほどの大金という感覚ではないはずです。父親が手広く商売をしているような経営者で、成城の一等地に屋敷を構えていました。
令嬢自身はバツイチで、寂しくもあり、大金をねだられていても黙認していたフシがありました。セイハとは携帯ショップで出会い、3年近く付き合ったそうで、何かにつけて『貸してほしい』と言われるままに200万円とか250万円を出していたようで、セイハは令嬢に犬も買わせてます」(同前)
金を引っ張る手口は、半ば「死ぬ死ぬ詐欺」のようなものだったという。
「やれ会社の経営がヤバくてこのままだと俺は死ぬしかないとか、脳腫瘍ができたとか、事故を起こしたとか。借用書は書いてもらっていたけど、それもなんだかんだと理由をつけてセイハに取られてしまったそうです。
令嬢にタカっていることをリアルタイムでは知らなかったのですが、のちにいろいろ話を聞いて、令嬢の金でセイハがスタンダードプードルのブリーダーを始めたと聞きました。
そのときはカッとなって電話を入れて『お前ずいぶん舐めたことしてんな。人の金で何やってんだ』ってまくし立てたら、セイハはずっと黙ってました」(同前)
以降、関根容疑者がこの知人に連絡をしてくることはなくなったという。
「犬は好きだったようですが、ブリーダーの仕事はすぐにやめたようです。私の知る限り、その令嬢以外にも『お金を返してほしい』と言っていた人はもう1人いるし、成城でセイハがマダムからお金を絞りとっていることは噂にはなっていた。
お金を貸していたあるオバさまのひとりがセイハのお母さんのところにも行ったそうですけど、『私にはわからないんです。本当にわからないんです』という感じだったみたいです」(同前)