高校、大学と全国制覇しながら怪我で挫折も…

ーーその後、進学した横浜隼人高校では軟式の女子野球部に入り1、2年時は全国制覇(3年からは硬式野球部に変更)。尚美学園大学の女子硬式野球部でも全国制覇しています。

でも、大学1年生の冬ぐらいに肩を壊しました。キャッチボールをしようとしたら、痛くて3メートルぐらいしか投げられなかったんです。小中高とずっとピッチャーをしてきて、ピッチャーができない野球は野球じゃないと心が折れて、辞めようと思いました。

監督に「辞めます」と伝えにいったら「バッティングという道もあるぞ」って言われて。それから必死にバッティング練習を始めました。そこからはDHで出場して、3、4年生ぐらいでやっと塁間を投げられるようになりました。だからほぼ2年間は投げてなかったですね。
 

ーー大学卒業後は都内の一般企業に就職します。

痛みを感じながら野球をするのはもういいかなと思って、一度就職しました。就職先は自動車機器メーカーの営業です。営業先の人に野球をしていたと話すと、めっちゃ打ち解けやすかったです。初めて野球をやっててよかったなと思いました(笑)

ーー野球自体からは離れていたんですか。

野球から離れようとは思っていたんですけど、入社して3か月後には同期に誘われて草野球チームに参加していました。

その同期のチームに参加していたら、たまたま相手チームに野球YouTuberの向さんがいらっしゃって。向さんのチームは強豪大学出身のピッチャーだったんですけど、その人から私はレフト前ヒットを打って。ピッチャーとして向さんと対戦したときにもレフトフライに抑えたんです。それで「YouTubeに出ないですか」と言われて。
 

ーー小学校から野球をやっていたことで出演につながるとは縁ですね。笹川さんが打撃を披露した2019年の動画は現在までに250万回以上再生されています。

私からしたら野球ができることは当たり前だったので、出演に関しても最初は「いや、こんなのいっぱいいるので」と断っていたんですよ。だから動画も普通のことをしているのに伸びて不思議です。

ヒールを履きながら華麗なフォームでバッティングする笹川さん(画像/本人Instagramより)
ヒールを履きながら華麗なフォームでバッティングする笹川さん(画像/本人Instagramより)

ーーバッティングセンターで華麗なスイングで130キロの球を打ち返す姿は相当インパクトがありましたよ。その後「野球女子」として人気となり、2021年2月には会社を辞めてYouTuberとなります。

両立ができたら一番よかったんですけど、やれるならYouTuberの道に進みたいとずっと思っていて。親からは「3年間は会社を続けて、それでもやりたいならやりなさい」と言われていました。3年経っても自分の意思が変わらなかったので挑戦しました。女子が野球というと「ソフトボール?」と言われるので、もっと女子野球のことをみんなに知ってもらいたいという思いもありました。