いびきをしなくなったら危険信号
「それでも、いびきが出ているうちはまだいい」と田中医師は言う。
「患者さんは家族から『いびきがうるさい』と言われて受診しますが、いびきは睡眠中に息が通っている状態。息が止まってしまうと、いびきは出ません。無呼吸状態がひどくなると1分間に1回しか息をしなくなります。1回息をしたら60秒間は息が止まる、そんな状態は重症なのに、うるさくないから、一緒に寝ている人も気づかないんです」(田中医師)
いびきに対するクレームがなくなったら「治った、良かった」と思うだろうが、むしろ睡眠時無呼吸症候群へと悪化している可能性が高い。無呼吸状態になりしばしば息が止まるようになると、取り込む酸素が少なくなり、動脈血中の酸素が不足した状態になる。
すると、苦しくてうなされて目が覚めたり、悪夢を見たりするようになり、その段階で「無呼吸かもしれない」と気づき、受診する人も多いそうだ。