「ヒアルロン酸を吸い出すことはおよそできないくらいの硬さだった」
「いや〜前回の集英社オンライン記事(♯1参照)で『某美容外科A』なんて書かれたから『ドクターA』の名前でYouTubeチャンネルやっている僕のことだって勘違いされて困りましたよ(笑)」
麻生泰氏は東京美容外科の統括院長でありながら、自身のYouTubeチャンネルの登録者数が18万人と発信力もある存在で、美容外科医とともに文化人タレント的な顔も持っている。麻生院長は苦笑しながらも、石川さんの修正手術の経緯を話してくれた。
麻生泰(以下、同) Xで相互フォローの有名インフルエンサーの投稿を見て石川さんの被害を知りました。これは、ヒアルロン酸を注入しすぎて生じた状態だと思いました。こんな酷い状態に仕上げて患者も納得していないのに、なぜすぐさま修正手術をしなかったのだろうと憤りました。
修正手術は本来、施術したクリニックが責任を持ってすべきことです。でも、そうしてもらえないため石川さんは苦しんでいる。これを医者として黙って見過ごすことはできなかったので、X上で「無償で修正しますよ」と彼女に呼びかけました。
――石川さんの話ではネットでの炎上後、美容外科「A」からも修正手術の連絡が来たようですが、術後の対応に不信感を感じ、麻生先生のクリニックにお願いしたようです。石川さんのまぶたはどのような状態だったのでしょうか?
そもそも涙袋形成の施術はメスを使わないプチ整形で、10分ほどで終わる簡単なものです。局所麻酔をして、目の下にある眼輪筋に、片目につき0.1ccから0.2ccほどのヒアルロン酸を2、3箇所ほど注射しながら注入します。石川さんと連絡を取り合ったときは私は沖縄に出張中だったため、修正手術は東京美容外科名古屋院の加藤秀輝院長が行ないました。
加藤院長の話によれば「おそらくそれぞれの目に0.4ccから0.5ccは注入されていた」とのこと。しかも、とても涙袋に注入するとは思えないような硬い種類のヒアルロン酸が注入されていたようです。
――ヒアルロン酸は通常の量に比べると多めだったということですね?
はい。しかも加藤院長によれば「注入したヒアルロン酸を吸い出すことはおよそできないくらいの硬さだった」とか。そのためヒアルロン酸を溶解するヒアルロニダーゼという酵素を注入し溶かしました。
これを注入すると、数時間から遅くても2、3日で完全に溶けて元通りになります。石川さんも元通りになった涙袋をX上で投稿していたので、僕もホッと胸を撫で下ろしました。