記憶力の衰えを感じたときこそデジタルの出番

シニアになると、「記憶力が衰えるから勉強は無理だ」と考える人がいます。しかし、これも大きな間違いです。なぜなら、デジタル技術で補うことができるからです。

関連語を音声入力して検索すれば、すぐに分かります。思い出すために、わざわざ辞書を引いたり書籍を開く必要はありません。

忘れたくない内容なら、Googleが無料で提供している「Googleドキュメント」に音声入力でメモを書き、クラウドにあげておくのも効果的です。

メモの作り方や整理法は多少の工夫が要りますが、GmAIlで自分宛てにメモを書いて、ひとまず下書きフォルダで保存するところから始めてもいいでしょう。こうやってデジタル技術を味方につければ、記憶力の衰えなど、たいした問題ではなくなるのです。

ただし、思いついたことをすぐ忘れてしまうのでは困ります。アイディアというのは忘れやすいものなのです。夜、寝る時に浮かんだアイディアは、翌朝になったら必ず忘れています。寝ついたときにいいアイディアが浮かんだと思っても、そのままにしたら、必ず忘れます。

ここでどうするか? スマートフォンの出番です。これを枕元に置いておいて、これに入力する。書くのは面倒だから音声入力する。これは、非常に重要です。

記憶力の衰えを感じる高齢者こそデジタルと仲良くせよ…80代でゲームアプリを開発した若宮正子さんに学ぶこと_2

これは、今晩からでもできることです。誰にでもできることです。別に難しいことではありません。

ただ、実際には、できない場合もあります。どうしても眠たくて、スマートフォンがそばにありながら、手が出せないで逃したアイディアは、山ほどあります。

先日も、非常に重要なアイディアを思いつき、手を伸ばそうと思ってできなくて、そして見事に忘れました。「これほど重要なアイディアだから、絶対忘れない」と思ったのですが、翌朝になって忘れていました。そもそも、何について考えていたかも忘れました。

せめて何かきっかけを、一言でもいいから書いておけば。アイディアそのものでなくても、「この問題についてだ」と書いておけば、多分、引っ張り出せたのに……。重要なアイディアを思いついたことを、覚えているのが悔しい限りです。