「ギャンブルは100%イカサマ」
“博打もカジノも、儲かるのは胴元だけ”と言われる。W氏も「ある意味、ギャンブルは100%イカサマだ」と断言する。
「ギャンブル依存症のヤツは、みんなギャンブルはイカサマだと知っている。マジックと同じで、素人には見破れないだけだ。そうとわかっていても、自分は勝てると信じて金をつぎ込む。そうやって勝手に泥沼にハマっていく」という。
“カジノの王様”と呼ばれるのがバカラというカードゲーム。バカラの意味は“破産”だ。しかし、このゲームでターゲットから搾り取るのはなかなか難しいとW氏は説明する。
「今日の目玉はこいつだと一人の客を狙って潰そうとする。だが、例えばバカラでターゲットから200~300万円取ろうとしても、これがけっこう難しい。
バカラにはプレイヤー(先攻)とバンカー(後攻)がいて、客はどちらが勝つかを予想して賭ける。だからターゲットを狙っているうちに、他の客に100万円とか勝たれることもある。バカラはプレイヤーとバンカーのバランスなんでね」
丁半博打と同じでサイコロを振る「ツボ振り」は、丁と半に賭けられた金のバランスが取れるまで、「丁はないか、半はないか」と客に声をかけ、バランスが取れれば「丁半揃いました」とツボを振る。
1人の客を潰しにかかるには、ヤクザもバカラのルールを覚え、バランスを瞬時に計算できなければいけないのだ。