引退宣言……と思いきや?
ある日、パパのTwitterにこんなことが書かれていた。
「色々と考えましたが、家族を解散しようと思います」
ワシはそれを見て悲しい気持ちになった。戦国メイド喫茶で一番楽しかった時期、それはパパのもとに十数人もの娘がいた頃だ。それだけメイドさんに個性があり、一人ひとりに物語があった。しかし、メイドさんが次々と卒業していった時期もある。それを見守ることしかできない悲しみも多分にある。
「またいつか、戦国メイド喫茶がメイドさんやお館様、姫様たちにとって笑顔で過ごせる場所になった時には戻ってきたいと思います」
これはパパの引退宣言でもあった。こうして秋葉原での物語を終え、また一人、街を去っていく。残った人間はそれを見送ることしかできない。その悲しさこそ、パパがずっと感じていたものだろう。
「最後に、今まで半ば強引に家族に加えても、それに付き合ってくれたメイドさんたち。本当にありがとう」
そのツイートを見た後、ワシは言いようのない気持ちになった。あの人は自分がキャラクターとしてのパパであることを自覚しながら、その役目を最後まで全うしようとしたのだ。メイドさんたちへの深い愛を持って……。
で、後日。
「パパの家族の第一章は終わりましたが、明日から第二章が幕を開けます」
そんなツイートの後、パパは元気に戦国メイド喫茶にやってきた。
「いや、続くんかーい!」
ベタなツッコミを入れつつ、今もまだ秋葉原に通うパパのことを思った。
(つづく)