醸造酒より蒸留酒のほうが二日酔いリスクは低いが…

樋口さんは「色のついたお酒のほうが、お酒に含まれる成分が多いことが原因」だと話す。お酒に含まれる、水とアルコール(エタノール)以外の成分は「コンジナー(不純物)」と呼ばれる。

初めて耳にする人も多いであろうコンジナー。水とアルコール以外の成分を指すコンジナーは、酒の風味や個性を決める重要な要素になる。だが樋口さんによると、基本的にコンジナーが多いお酒のほうが二日酔いを招きやすいのだという。

蒸留酒に比べ、醸造酒のほうが二日酔いを起こしやすいといわれるのも、同様に、コンジナーの量で説明できるという。

「蒸留酒は、醸造酒を蒸留して製造されます。この蒸留過程により、アルコールの濃度が高まると同時に、コンジナーは大幅に減ります。蒸留酒は翌日残りにくいといわれるのも、この影響が大きいのではないかと考えられます」と樋口さんは話す。

ということは、個人差(体質)もあるだろうが、大きな傾向として「色のついたお酒より透明なお酒」「醸造酒より蒸留酒」を選んだほうが二日酔いのリスクは減らせるということか。となると、透明な蒸留酒である本格焼酎などは最適ではないか。樋口さんに聞いてみると、「そもそも蒸留酒はアルコール度数が高いので注意してください。二日酔いのリスクが低いからといって飲み過ぎては元も子もありません。二日酔いの最大の原因は飲み過ぎですから」と釘を刺された。

ほかにも酒を選ぶ際のポイントはある。スパークリングワインやビール、ハイボールといった炭酸系の酒は、「胃の蠕動運動が促進されることで腸でのアルコールの吸収が促進され、血中アルコール濃度が上がりやすくなります。そのため、酔いやすくなるので注意が必要です」と樋口さん。

また、酒とともに水(チェイサー)もきちんととるようにする、蒸留酒などアルコール度数の高いお酒は、水で割って飲むといったことも実践するとよいそうだ。