不幸な場面でこそ気合い?
――ドラマ『妖怪シェアハウス』はもともと第1シーズンが2020年に放送されていました。『帰ってきたん怪』はその続編ですが、決まったときの感想は?
小芝 まずめちゃくちゃうれしかったです! 続編ができる程、見てくださった人が楽しんでくれたってことだと思うので、期待に応えられるよう頑張ろうって思いました。第1シーズンでは、登場した妖怪・アマビエのマネをしている子供の動画がネットに?あがっていたり、「子供が大好きで毎週見ています」ということを聞いたりしていたので。(以下全て小芝風花さん)
――異色の設定ながらも幅広い世代に受け入れられていたんですね。
妖怪とシェアハウスするって言われてもわかんないですよね(笑)。最初はホラーコメディなので、そのシュールさや世界観を大人の方が楽しんでもらえるかなって思っていました。だからお子さんたちの反響は意外でした。
――澪といえば、やはり不幸体質でネガティブというのがキーワードですよね。
そうなんですよ。どれだけ不幸に見えるかが大事。「もう澪は私たちがいないとだめね」って妖怪さんたちに心配されてこその澪なので。シーズン2の最初の回は、餓鬼に間違えられるくらい空腹で、妖怪たちにも衝撃を与えるシーンだったので、特に気合いを入れました。それでも、不幸でも人を信じることをやめず守ろうとする純粋さ、小説を書くという夢を諦めない強さは、澪を演じるうえで欠かせないものですね。それがあるから、妖怪さんたちも助けてくれるんだと思います。
――シーズン1から1年ほどのブランクがあっても撮影は順調でしたか??
撮影自体は、安心のメンバーなので全然大丈夫でした。妖怪さんたちが面白いことをしてくれるので、それに素直にリアクションするだけで。もちろん台本を読んでいるので、妖怪さんたちが何をしてくるかはわかっているんですよ。でも、想像していた以上の演技やアドリブを現場で繰り広げられるので、素直に反応できたらいいなって思って撮影に臨んでます。
シーズン2に出てきた河童(小久保寿人)も、元々は訛っていなかったのにオリジナルで訛りを加えられていて、監督もいいね!って爆笑でした。世界観ができあがっているのに、これまで出演したゲスト妖怪さんたちはそれを上回ってくるんです。役者さんの強さや引き出しの多さに毎回驚かされますし、何より勉強になりますね。
―― お岩さん(松本まりか)や 酒呑童子(毎熊克哉)など、レギュラー妖怪たちだけでも個性的ですからね。
ぬらりひょん(大倉孝二)は特に仕掛けてくるんですよ。笑って演じられない時もあるので、目を合わせずちょっとずらしたり。そういう意味では、大倉さんは安心できませんね(笑)。でも、現場で監督やカメラマンさんが笑ってくれるから、澪はこれでいいんだって判断基準にもなっています。
――妖怪たちとのコミカルなやり取りは一番笑える部分ですからね。
そうなんですよね。最初は人間でテレパシーも使えなかったのが、普通にできるようになったり、映画でも“高速納豆パス”に参戦できていたり、シェアハウスの日常に澪も溶けこんでいるのが、すごくうれしかったです。
あ、テレパシーを使う時は、白目をむくんですけど、「待って、映画ですよね! 大スクリーンですよね! 大丈夫ですか!?」って確認しました。全然抵抗はないんですけど、撮影しているときも「どんな感じで映るんだろう」って思ってましたね。