地域特性に合わせた売り場づくりがカギ

イオンの総合スーパーであるGMS事業は、2023年3-11月に12億円の営業損失を計上した。

※決算短信より筆者作成
決算短信より筆者作成

イオンのGMS事業は、2021年2月期から2期連続の営業赤字を出した。2023年2月期に通期の営業黒字化を果たしたが、今期は第3四半期までの累計で赤字となっている。

「ダイエー」、「西友」、「長崎屋」など、一時隆盛を誇った総合スーパーが経営破綻の憂き目を見たケースは多い。イオンとイトーヨーカドーは、いまや別事業が総合スーパーを支えている状態だ。この業態の経営がいかに難しいかを如実に表している。

しかし、どこもかしこも苦戦しているわけではない。業績堅調なのが、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、2019年に買収した総合スーパーの「ユニー」だ。

この会社は「アピタ」や「ピアゴ」を運営している。2023年7-12月のGMS事業の売上高は2362億円、営業利益は192億円だった。営業利益率は8.1%にも上る。

※連結業績説明資料より筆者作成
連結業績説明資料より筆者作成

PPIHがユニーを連結子会社化した直後の2019年6月期の営業利益率は4.7%だった。2023年6月期は5.4%である。インフレという逆風下においても、営業利益率を高めることに成功したのだ。