健一容疑者の姉も2018年に薬物中毒死とみられる変死

登記簿などによると、健一容疑者が経営していたホテルは鉄骨造陸屋根9階建てで2012年に新築、2020年には1フロアあたり約100平方メートル増築しており、延べ床面積は2倍強になっている。所有者の健一容疑者が代表取締役、志保容疑者が取締役を務める会社だ。

同社は1979年に健一容疑者の父親が創業し、浅草の地場産業である皮革加工・販売を手がけていたという。また、事件現場となった10階建てのマンションは2002年に新築し、父親が所有していたが、6年前に健一容疑者が相続。その最上階で妻と美輝ちゃんを含めた3人の子どもたちと暮らしていた。

〈再逮捕・京都タリウム殺人事件〉植物状態の叔母の元夫は「理由はやっぱりお金だったんでしょうね」栄華を誇った一族は事件後に崩壊「家から物音がまったくしなくなりました」_3
健一容疑者が保有していたビル兼自宅(撮影/集英社オンライン)

社会部デスクが解説する。

「美輝ちゃんの死について警視庁は当初から事件性が濃厚と判断し、司法解剖の結果、中毒死と断定し内偵捜査を進めていた。すると、その過程で健一容疑者の姉も2018年に薬物中毒死とみられる変死を遂げていることがわかった。

ちょうどこの年には健一容疑者の両親が相次いで亡くなり、健一容疑者がマンションを相続。同時に会社の代表取締役にも就任しており、警視庁は姉の死についても事件性を調べ直すことになったのです。また、志保容疑者は数年前に自宅に火をつけてボヤ騒ぎを起こしたり、美輝ちゃんが虐待を疑われて児童相談所に一時保護されていたことも判明しました」

健一容疑者の経営していたホテルの従業員がこう証言する。

「社長(健一容疑者)に子どもが3人がいたのは知っていますが、ふだんからご家庭の話はされなかったので、どんな生活をされていたのかは知りません。社長と最後に会ったのは1月だったと思います。
社長は奥さんと経営するホテルに泊まり、警察の事情聴取を受けに行っていました。昨年末から今年の初めの頃の話で、2週間くらい、朝出て行って夕方帰ってくる生活でした、1日中、取り調べを受けていたのだと思います」

美輝ちゃんが亡くなった後、残された子どもたちは新宿区内の児童養護施設に保護され、健一容疑者の指示で経営するホテルの従業員が、教科書や文房具を届けにいっていたという。

〈再逮捕・京都タリウム殺人事件〉植物状態の叔母の元夫は「理由はやっぱりお金だったんでしょうね」栄華を誇った一族は事件後に崩壊「家から物音がまったくしなくなりました」_4
浅草警察署(撮影/集英社オンライン)

「事情聴取は1番下の子に関することだとしか聞いてなくて、最初はお子さんが亡くなったことも知りませんでした。社長は『事件のこととホテルの経営のことは関係ないんであんまり心配しなくていいよ』と従業員たちに言ってたし、毎日事情聴取に出かけていても様子は普通でしたね。

3人の子どもは1番上が男の子で小学校の高学年、その下が女の子で、亡くなったのは末っ子だったと思います」(前同)