乗用車に紙袋を10袋ぐらい積み込んで出て行った

宮本被告は2020年7月、叔母を殺害しようとしてタリウムを摂取させた疑いが強まった。当時、この叔母は倒れて病院に救急搬送されたが、大脳の一部を損傷しており高血圧脳症と診断され、現在も人工呼吸器を装着した植物状態が続いている。宮本被告は逮捕後、一貫して黙秘しているという。

〈再逮捕・京都タリウム殺人事件〉植物状態の叔母の元夫は「理由はやっぱりお金だったんでしょうね」栄華を誇った一族は事件後に崩壊「家から物音がまったくしなくなりました」_1
宮本一希被告(本人SNSより)
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宮本被告は、不動産業で財を成した祖父の代から続く資産家の家に生まれた。一族は比叡山麓の広大な敷地に3棟の屋敷を構え、祖父母や両親、叔母夫妻らから寵愛を受けて育った宮本被告は、地元の私立大学を卒業後は東京で大手広告求人会社に就職。小学校時代の同級生と結婚したが長続きせず離婚。京都にUターンして2018年ごろに再婚し、娘ももうけた。

一族のゴッドファーザーたる祖父から家督を継いでいた叔母の肝煎で、宮本被告は置屋を買い取るなどして芸舞妓のお座敷付きの「舞妓ディナー」を始めるなど、伝統をアレンジしたビジネスに乗り出した。

しかし2020年6月末に父が死亡。続いて叔母も突然倒れたことで経営権が転がり込んできた宮本被告は、一族所有の不動産を次々に売り飛ばし、超高級グルメに散財するさまをSNSで発信するようになる。
そして、昨年10月、自らが経営するイベント企画会社でアルバイトをしていた立命館大3年生(当時)の浜野日菜子さん(21)にタリウムを摂取させ、殺害したとして今年3月に逮捕、起訴されていた。

〈再逮捕・京都タリウム殺人事件〉植物状態の叔母の元夫は「理由はやっぱりお金だったんでしょうね」栄華を誇った一族は事件後に崩壊「家から物音がまったくしなくなりました」_2
殺害された浜野さん(本人SNSより)

古都で栄耀栄華を誇った一族は、不祥の孫が起こした事件であっという間に崩壊した。京都市左京区の一族の大邸宅の近くに住む男性はこう言う。

「4月の頭くらいからですかね、宮本さんの家から物音がまったくしなくなりました。3月上旬の事件報道以来、ご家族のお姿は見かけなくなったものの、夜中に洗濯機を回す音だったり、シャワーを浴びる音がしていたのに、今では人の気配がまったくありません。トラックで引っ越す様子はなかったので、おそらく家具なんかはそのままだろうし、また帰ってくる可能性もありますけどね。
たった一度、4月末に一希さんのお母さんが家に戻ってきているのを見かけました。乗用車に紙袋を10袋ぐらい積み込んで、1時間もしないうちに出て行かれたので、生活に必要な荷物を運び出していたんでしょうね」