日本茶の意奥深さには改めて驚嘆する
私はジムの帰りに寄ることが多いので、たいてい小腹が空いている。そんな時には玄米餅の磯辺焼きを頼む。餅は発芽玄米と青大豆の入ったものの二種類。小さく切った餅が市松模様に並べられ、柚餅子とわさび漬けが少量添えてある。磯辺焼きは碁石茶とのセットだ。碁石茶とは発酵茶で、葉っぱを広げて乾かし、それが碁盤のように見えることからこの名が付いたという。
発酵させた日本茶があるなんてことも、最近知ったことだ。長年身近にあって、それなりに知っていると思っていた日本茶の意奥深さに改めて驚嘆する。日本茶についての本を読んでいるのだけれど、本を読んだりいろいろ試したりして、もう少し体験と知識が積み重なってから、同じ煎茶や碁石茶を味わうと、また別の感想を持つかもしれない。それがおもしろいし、自分でも楽しみなのだ。
さて、この店にも「映え」なアイテムが存在する。季節のパフェがそれだ。林檎、サンシャインマスカット、栗、レモンなど、その時々の果物がパフェとなって献立に登場する。どれもが味はもちろんルックスも日本茶との相性を考えて作られていて、なるほどと感心してしまう。
軽食の献立も用意されているのだが、そこにあるカレーも同様。お茶に合うよう、スパイスが主張しすぎない「和」のカレーである。
「茶寮小町」はその店名の通り、小町通りと鶴岡八幡宮の参道を結ぶ本の短い通りにある。小町通りからなら、この通りを小さく左折して竹垣のアプローチを行くと、奥まった場所にこの店はある。目と鼻の先の小町通りの喧騒が嘘のようにひっそりとしていた空間だ。ひっそりとしていながら、敷居の高い雰囲気がなく、私はついついトレーニングの帰りに眉毛も描かず、ワンマイルウエアのまま飛び込んでしまうのだ。

写真・文/甘糟りり子












