友達に言われるがまま車を買わされていた堀容疑者
「(息子が)逮捕されてもう一カ月ですね。私のほうには警察からも弁護士からも、本人からの手紙なども何の連絡もきていません。私のほうからは会いに行くつもりはありません。なぜって……。人が亡くなっているんですよ。人が亡くなるような事件に関わってしまって……。やったことがやったことですから、はっきりするまで会うつもりはないんです」
堀容疑者の母親の決意は固かった。
「“はっきり”というのは裁判が終わるなど、事件のことがはっきりするまでという意味です。そのうえで息子から『会いたい』と意思表示があれば、そのときは会おうかと思っています。これまで、息子に対して私はやることはすべてやってきました。教えるべきことは教えてきました。息子はもう30歳です。だから、私からは会うつもりはありません」
堀容疑者は渥美容疑者と都内の公立高校で同級生だった。
「今思えばですが、あの子(渥美容疑者)と付き合いだすようになって、問題が多発していたように思います。ある時期から何度か尻拭いをしてきましたから、おそらくそのころから(渥美容疑者と)付き合い出したんだろうなって……。もうずいぶん前なので詳しくは覚えてないんですけど、7、8年前に息子の名義で車を買ったことがあるんです。息子は自分の車は持っていたし、どう考えても必要のない車でした」
その車は途中から駐車場に放置されたままになり、いつの間にか支払いの請求も母親のもとに届くようになったという。
「友達が乗るための車として買ったとか、友達に言われるがまま買ったとかそんなことだと思います。今回も大変なこと(死体遺棄)を手伝わされて運が悪いと思うところもありますが、要は自分の弱さですから。私からは会うつもりはありません」
母親がいぶかしむように、堀容疑者が渥美容疑者の「言いなり」に使われる様子を仕事仲間は見ており、逮捕当時の取材でこう証言していた。
「この2人は同じ都立高校の同級生で、堀は渥美のおじいちゃんがやってた会社で防水工事の勉強をしたみたいだね。弟子といえば弟子でしょう。堀は気が弱いところがあって、渥美の意見は絶対みたいに聞いてるところがあったね。
陰では渥美の悪口言ったりすることはあっても、結局は便利屋扱いされてた。渥美は自分がトップにいて、下を使ってお金が入ってくるような会社にしたかったんだろう。自分は楽して動かないから」(堀容疑者の仕事仲間)
そんな渥美容疑者も、早くに亡くした両親の話題になると涙もろくなったという。
「飲んでるときに親父の話になると涙を流してたよ。お父さんも防水屋でコーキングのシールを打ったりしてたみたいで、やつがシールを打つのに使う手製のコテみたいなやつはお父さんの形見のはずだよ。やつのシール打ちは、すげえきれいでしたよ。技術もお父さん仕込みかわからないですけど、腕はよかった」(前同)