子どもの口の機能が衰えていないかチェックする
このことから、子どもを育てている人はもちろんのこと、大人であっても、仕事や作業の効率が下がることがあり、口呼吸はよくありません。
理由はさまざまですが、酸素を十分に取り込めなくなることなどが考えられます。口呼吸は大人にも子どもにも見られます。
3歳くらいの子どもだと特にわかりやすく、上唇がまるで富士山のようなかたちにめくれ上がっているような状態です。
かつて「あひる口」がかわいいと流行したことがありましたが、まさにあのようなかたちですね。
上唇が上がっていると、出っ歯になりやすくなります。
上あごだけが前に出て、下あごが引っ込んで成長してしまうからです。
また、前歯が目立ってしまうので、歯並びが乱れて顔立ちもアンバランスになる傾向があります。
「噛む力」や「舌の力」など口のなかの機能が衰えてしまうことで、口がぽかんと開いた子どもが増えていると述べました。
そこで、子どもの口の機能が衰えていないか次のような簡単なチェックをしてみてください。
◆口を自分でクチュクチュとゆすげるか
◆自分でうがいができるか
◆誕生日ケーキのろうそくの火をふき消せるか
◆風船をふくらませるか
3〜4歳で、これらの項目がうまくできなければ、口の機能が衰えている可能性があります。
むかしの世代の人には信じられないかもしれませんが、実際にこのようなことができない子どもたちが、いまとても増えています。
小学校で、口や歯の大切さを教える出前授業をしたとき、クラスの半数以上の子どもが風船をふくらませなくて驚いたことがありました。
それはもともと力がないのではなく、日常的に口の力をあまり使ってこなかったために、どうやって口をゆすげばいいのか、どのように火をふき消せばいいのか、力の入れ方がわからないということもあるようです。
また、ブクブクうがいは3歳で約50%、4歳で約75%の子どもができるようになるといわれていますので、ひとつの目安になるでしょう。
いずれにしても、子どもから高齢者まで、すべての人たちが口の状態に対してもっと真剣に興味を持たなくてはならない時代がきているように感じています。
照山裕子
監修/來村昌紀