10代は70代よりも、食べ物を〝噛み切れていない〞
特に10代は、「口のなかが渇きやすい」以外のすべての項目で、20代や30代よりも数値が高くなっています。
さらに「口のなかが渇きやすい」「ムセやすい」をのぞけば、40代よりも高くなっているのです。
なかでも、「滑舌が悪くなることがある」と回答したのはなんと30.3%で、これは60代に匹敵する数値です。
また、20代も26.5%と、50代とほぼ同じ数値でした。
また、口腔の機能不全が疑われる症状を経験しているのは、10代で48.3%、20代で40.6%と、半数近くの人が、なんらかの症状を経験していることもあきらかになりました。
さらに、10代は「噛む力」も未発達の傾向があり、ふだんの食事について聞いたところ、「かたい食べ物よりやわらかい食べ物が好き」が53.6%、「かたい食べ物を食べるときに噛み切れないことがある」40.3%と、全年代のなかで最多となりました。
これはつまり、10代は70代よりも、食べ物を〝噛み切れていない〞実態があきらかになったというわけです。
加えて、「食事で噛んでいるとあごが疲れることがある」と答えた10代は48.3%で、70代のなんと2.7倍にも上り、若年層の口腔機能の発達が不十分な疑いを表す結果になっているのです。
もちろん、調査からわかるのは決して若年層だけの問題ではなく、基本的な傾向としては、年齢とともに口の機能が衰えていくという事実です。
そして、「噛む力」は高齢になったからといって急激に衰えるものではなく、徐々に衰えていくものです。
高齢者はもちろんのこと、この世代になる前の人たちも、「4つの口の力」を鍛えていくことで、「口の老化」を予防する必要性があるといえるでしょう。