華やかなダンサーの意外な苦労
──日本舞踊からポールダンスへ大胆な方向転換をされましたね。
日本舞踊をやっているというと「すごいね」となるのに、ポールダンスをやっていると「ん?」と顔が暗くなるんです。「なんだこの差は!」と思いました。
お客さんから「自分を大切にしなね」って言われたこともあるんですよ。最初は意味がわからなくて……。要は「そんなに露出をして媚びを売るのはやめたほうがいい」って意味だったんです。見下されている感じがしたし、「え、大切にしてますけど!」みたいな(笑)。
そのひとことで、ポールダンスがどう見られているのかがよくわかりました。そしてその言葉で「絶対にこんなことを言わせないようにする!」「いつか国立劇場でポールダンスのショーができるようにする!」という気持ちに変わっていきました。
──教室の年齢層は?
小学1年生から60歳くらいまでいます。大人の生徒さんは、単純な興味からはじめられる方もいますし、「若いころにやりたかったけど手が出せなかった」という方も多いです。小学生の子はもう、時代ですよね。「YouTubeを見て楽しそうだったから」という子も。
──華やかに見えますが、ご苦労は?
ポールダンサーが布の少ない衣装を着ている理由は、皮膚を出さないと止まらないから。わかりやすく言うと、階段なんかの銀色の手すりです。皮膚との摩擦で止まっているので、この摩擦が痛いんです。アニメの中ではポールダンスでできたあざを「ポールギャラクシー」と呼んでいますが、慣れるまでは青たんができますし、最初は大変ですね。
──先生はどうして我慢できたんですか?
それはもう、「やりたい」が優ったから。続けていると自然とその痛みにも慣れてくるんですよ。私の手はタコだらけで、滑り止めもつけているからガサガサ(笑)。よくポールが当たる場所はゾウさんみたいに皮膚が厚くなるし、皮膚を守ろうとして毛も生えてきます。「ポル毛」って呼んでます(笑)。