自分で買ったアクセサリーひとつで
――「グラビアアイドル」という存在を安っぽくしてしまう行為に憤りがあるんですね。ちなみに経営者としてではなく、芸能界で成り上がることは考えなかったんですか? 少なくともグラビアでは雑誌の表紙を飾ったりされていたわけですし。
テレビに出て、広告がつくタレントになることが最大の成功だと思っていたので、経営者としての一面はアピールせずに頑張っていました。
でも、広告が取れる芸能人って芸能界全体の1%で残りの99%は無理なんです。さらに事業をやっている人は、別の事業の看板にはなりにくいですよね。会社経営とタレント業を両立させながら、私がその上位1%に入るのは無理だなと気づきました。
――10年以上前にデビューしていて、芸能界に未練はなかったんですか?
未練、めちゃくちゃありましたよ。
でもグラドルって、泥をかぶっても頑張れって風潮がまだあるんです。ひどいことをされても大丈夫でしょ、崖っぷちなんだから、って。ある番組の収録で芸人さんから、「そのアクセサリーも高いんでしょ? くりえみは社長だからね」って言われたんですよ。
もちろんネタだとわかっていたんですけど、「グラドルなのにお金を持ってる=いやらしいみたい」な嫌味に聞こえて、その場で笑えなかったんですよね。
事業を死ぬ気でやってきて、自分で買ったアクセサリーひとつで調子に乗ってるみたいにイジられるのなら、もうバラエティ番組には出られないなと。それで踏ん切りがついて辞めました。
――自身で道を切り拓かれていますね。
グラビアの友人からは、「なんで起業とかめんどくさいことするの?」と言われますけどね(笑)。あと経営者としても支持されている女性タレントさんって、アパレルやコスメとかわかりやすい事業をしている人。
私みたいに事業を立ち上げて、売却して、みたいな人があまりいなくて、行く方向を間違えたのか、行き過ぎちゃったんですよ。