第100大会と全国化
いよいよ2024年、箱根駅伝は第100回の記念大会を迎える。出場校は23校と決まり、そして10月に行われる予選会には、関東学連に加盟している学校だけではなく、全国の大学にも門戸が開放されることになった。
この決定によって、全国の大学にも箱根駅伝出場の可能性が開けたわけである。
過去の歴史を振り返ってみると、関東学連加盟校以外の学校が箱根を走ったことはある。
まず、関西大学が箱根駅伝の黎明期である1928年、31年、32年と三度走っている。順位は9位、8位、8位だった。
そして64年、東京オリンピックが開催された年のお正月には立命館大学(11位)と、福岡大学(13位)の2校が参加している。いずれもオープン参加ではなく、正式の順位。というわけで、前例がないわけではない。
今回、全国にチャンスが開放されるにあたって、私はよくこんな質問を受けるようになった。
「全国の強い学校が出てくるとなると、関東で出場できない学校が出て来たりするんじゃないですか?」
この質問については、関東以外の学校の関係者には本当に申し訳ないのだが、「100パーセントないですよ」と答えている。それが現実だからだ。
それはなぜか?
ひとつには、箱根駅伝が圧倒的なコンテンツになったことで、選手が関東に集中する傾向が以前にも増して強まった。
日本人の高校3年生の5000mの上位50傑を見ていても、実業団を選択する選手が何人かいて、ごく稀に関西の学校に進学する選手がいるくらいだ。才能は関東の学校に吸い寄せられているのである。
それは大学の実力差となって表れる。インカレだといい勝負をする場合もあるが、団体戦である駅伝の予選会となると、一気に差が開く。