地方の学習環境の現実と、「東大生」を伝える活動

──清水さんの出身である群馬県では、中学受験は一般的でしたか?

清水大志さん(以下、清水) 全然一般的ではなかったですね。地元では1学年に1人受験をしたといううわさがあるくらいで、中学受験の文化はなかったです。ほとんど全員が地元の公立中学校に行って、みんなで高校受験をして、それぞれの学力別に振り分けられるという感じでした。なので、入学後に首都圏と地方の学習環境の違いを知り、びっくりしました。

UTFR現代表の清水大志さん。代表は清水さんで5代目となる。
UTFR現代表の清水大志さん。代表は清水さんで5代目となる。

──受験勉強をする上で、地方格差を感じたことはありましたか?

清水 ありましたね。田舎の小中学校でのんびり過ごしていたので、受験勉強においても基礎固めからしないといけませんでした。ですが、東京で東大進学を目指している人たちは中学受験を経て、いち早く東大進学を目指して勉強しているわけだから、基礎段階から大きな差が出てしまいます。そのため、田舎の高校生は東京の高校生とそもそものスタートラインや学習環境が異なるので、さまざまな面で苦労することが多いと思います。

このような地域差を少しでも埋めて、東大や東大生の存在を認知してもらうために、UTFRでは地方への訪問活動を行っています。沖縄県石垣島や高知県檮原町などの学校を訪れて、少しでも東大生の存在を知ってもらうような活動をしています。また、学校での講演会や地域のお祭りへの出店などもしています。

地方の高校を訪れ、東大と東大生を伝える活動をしている
地方の高校を訪れ、東大と東大生を伝える活動をしている

──地方に赴かれて、感じたことや変化などはありましたか?

清水 地方を巡ることで、「勉強をがんばっていい大学に行きたいです」と言ってくれる小中学生がいたり、「東大生って意外と普通で面白い人が多くて、見方が変わりました」といった感想もいただいたりします。なので、東大生を身近に感じてもらったり、勉強のモチベーションになってもらうという目標は達成できているのではないかと思います。