「いろいろな方にご迷惑をおかけして本当にすみません」
古くは共通一次、その後センター試験、現在は共通テスト。名称は変わっても、例年1月中旬に行われる大学入学の関門の持つ意味合いは、多くの若者にとってけっして軽くない。
本来は今年、そこに挑むはずだった少年は、一年前に自らおこしたあやまちで出場権を失い、巻き込んだ人たちの人生をも大きく狂わせた。「卑劣」や「未熟」という言葉で片付けるにはあまりにも切ない事件。今年もまたこの季節がやってきた。
「すみません、謝ることしかできないです、いろいろな方にご迷惑をおかけして本当にすみません」
本来なら高校3年生として新成人の日を迎えるはずだった少年(18)の父は、取材に訪れた記者に深々と頭を下げた。