お笑い界では「飲み会の失礼ボケは3回まで」
どこの街にもある、安くてうまい立ち呑み屋。年齢も性別も関係なく、誰もが心をひらいて気楽に過ごせる場所だから、ついつい本音や悩みがポロリとこぼれてしまう……。
そんな“人生交差点”でほろ酔いになりながら、読者から寄せられたお悩み相談にのるのは、芸能界の天国も地獄も味わった“無敵の炎上芸人”とろサーモン・久保田かずのぶ。
こだわりの逸品がそろう名店「立ち飲み居酒屋ドラム缶大塚店」で、久保田が気になっていたつまみは「ヒレローストポーク」。「これは酒が進むわ」とハイボールを胃袋に流し込み、もう一杯おかわりをもらう。
――まもなく単独ライブ(11月24日開催)ですね。
今日もルミネで単独ライブ用の新ネタをかけました。自分のなかでの仕上がり具合は、単独2週間前の時点で50%といったところですね。こっからどんどんテコ入れしていきます。
――ネタをたたいていくんですね。
競艇選手と一緒ですよ。1 回走って、プロペラをたたいて調整して、本番までに仕上げます。ウケていないところを改善していくんですけど、そこらへんはもう感覚ですね。明日も舞台があるから、飲みすぎないようにしないと。
――久保田さんは酔っぱらうとどうなるんですか?
酒癖のこと? 怒らないし、愚痴も言わないし、ただ笑ってるだけ。でも、飲みの席でのやりとりはぜんぶ覚えてますよ。だから翌日になって、「おまえ、昨日のアレはなんやねん」って言いますね。
――言った本人は覚えてなさそうですね。
後輩の失礼ボケはきっちりとカウントしてます。「飲み会の失礼ボケは3回まで」というルールがあるんで。
――どれくらいで1回カウントするのか、くわしく教えてください。
たとえば、「おい久保田、飲めや」「誰が久保田や、先輩やぞ」。これで1回。しばらくして、「久保田が飲んでないわー」「おまえ、何回上から来んねん。呼び捨てはあかんぞ」。これで2回。そして、「おい、おまえ」「さっきよりひどくなってるやんけ。『さん』をつけろ」「おまえさん」「誰がおまえさんやねん」。これで3回。
その場のノリと流れで後輩に呼び捨てされたら笑えるし、僕も思いっきりツッコミができます。でも、3回で終わらずに「久保田〜」って何度もからんでくるやつとは、二度と飲みに行かないですね。
――3回なんですね。
3回はやっぱりお笑いの基本です。ボケて、ボケて、3つ目で落とす。笑い飯の哲夫さんにも教えてもらいましたよ。
失礼ボケって平場だとケガしちゃうんです。昔ね、劇場のトークコーナーかなんかで僕がオチに向かって話していたら、面識のない後輩に後ろから股間をつかまれて、「話が長いねん」ってやられたことがありました。いっさいウケなくて、殺したろかなと思いましたよ。
商品としてきちんと笑いをとれるパッケージで話していたのに、途中で邪魔されたわけですから。まあ、芸人やめましたけどね、そんなやつだから。
――空気が読めない人はいますよね。
飲み会ってね、気があうから誘うんです。気があわない、空気が読めないやつは誘いません。そんなやつはね、家で空気が抜けたダッチワイフでも抱いてろって思いますよ。
――タイトルに使いたくなるキャッチーなフレーズをありがとうございます。
やめてください、こんな時代に。