夫婦の遺体には10箇所以上の刺し傷が…


事件が発生した10月12日には、山梨県内の高校に通う生徒による「意見発表会」が開催され、被害者の長女は学校を代表して、スピーチをする予定だった。しかし、遠藤被告がすべてをぶち壊した。遠藤被告は逮捕後の山梨県警の取り調べに「事件を起こしたことを後悔している」と供述したが、放火され全焼した被害者宅から見つかった遺体の状況はあまりにも悲惨だった。当時、捜査関係者から聞き取ったメモにはこう綴ってある。

「遠藤はもともと一家全員を殺害するつもりで、刃物も複数持参していたとみられる。焼け跡から見つかった夫婦の遺体には10箇所以上の刺し傷があり、深いものは臓器にまで達していた。遠藤は最初、1階の寝室で寝ていた夫を殺害し、続いて逃げた妻に手をかけたようで、近隣住民が『やめて』という女性の叫び声を耳にしていた」

被害者の自宅に供えられた花や飲み物(写真/共同通信社)
被害者の自宅に供えられた花や飲み物(写真/共同通信社)

遠藤被告は県警の調べに対し「被害者の長女に好意を寄せていた」「長女とLINEができなくなった」と供述していた。一方的な好意を寄せ、思い通りにならなかったことで逆恨みを極限まで募らせたようだ。

身勝手極まる動機で彼女の両親と家を奪い、妹を傷つけた遠藤被告。はたして国民から選ばれた裁判員たちはこの事件をどう受け止めるのか。その行方に注目が集まる。

※「集英社オンライン」では、今回の事件にまつわる情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班