前明石市長も岸田首相を痛烈批判

また、「国民への還元」という表現についても、早くも批判が出ている。
泉房穂・前明石市長は10月13日にX(旧Twitter)で「税収増だから、その増えた分だけを国民に『還元』って間違っている。税収が増えようが減ろうが、そもそもが常に”国民のためにこそ”お金を使うべきであって、どっちを向いて政治をしているのかと、不思議でならない。まさに”異次元”の総理だ…」と投稿。2万以上の「いいね」が集まり、賛同の声が広がっている。
そもそも、税収の増収分をわざわざ還元するのなら、増税するのをやめてほしいというのが多くの国民の意見だろう。

このような岸田政権への失望が選挙結果にも表れたのが、今回の衆参2補選だったわけだが、1勝1敗という中途半端な結果となったこと、また、岸田首相に替わる総理総裁候補がいないことから「岸田おろし」が起こる気配は今のところ自民党内にはない。

特に、鍵となりそうな安倍派は未だに明確なリーダーを決めることができず、19日には塩谷立座長が次期総裁選で基本的には岸田氏を支持する姿勢を打ち出した。

日本経済において「急激な物価高に対して賃金上昇が十分に追いつかない」(岸田首相の施政方針演説)ように、政界では急激な国民の岸田離れに対して政局が十分に追いついていないように見える。

このまま抜本的な解決策を打つことなく、岸田政権が低空飛行で続いていってしまうのか。
せめて、物価高のように岸田政権がこれ以上、国民生活を蝕んでいかないよう祈るばかりだ。


取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班