狙うべきコースは外角、高さはベルト付近
対応策はあるのかと問われれば、打撃マシンの球速を最高にして、まずは目と身体を160キロ超のボールに慣らすところから始めるしかない。おそらくセ・リーグ各チームはすでにやっているはずだが、これに慣れるには最低でも十日くらいの時間は必要だ。
あとは打席への臨み方。佐々木朗はストレートとフォークが基本の投手だ。ストレートでどんどんストライクを取り、フォークで空振りを奪うのが基本パターンだ。走者を許したときなどを除けば、ボール球で様子を見ることもなく常に攻めてくる。だから打者はいたずらに待球してもカウントを不利にするだけだ。
となればバットをグリップひとつ、あるいはふたつぶん短く持ち、ファーストストライクから積極的に打ちにいく。そして強引に引っ張らず、センターから反対方向(右打者ならライト、左打者ならレフト)に打ち返すことを心がける。狙うはストレートのみ。結果、フォークを投げられての空振り三振には目をつむるしかない。
5月13日、敗れこそしたものの、オリックスの打者は初回からこの戦法を実践していた。単純だが策はこれしかない。大事なのは1番打者から9番まで全員が、この策を徹底することだ。もちろん主軸も同じ。
そうしてジワジワと攻めることで、佐々木朗のペースを乱していくしかないが、今のセ・リーグの打者では、それも難しい印象だ。
対戦する可能性の高い阪神、巨人で言うなら、攻略できそうなのは阪神なら近本光司、佐藤輝明、巨人なら吉川尚輝、坂本勇人あたりの、比較的速い球にも対応できるスイングの選手だけだろう(ただし、吉川は故障あがり。坂本も膝の靱帯を痛めており、交流戦には間に合わない可能性が高い)。
やはり狙うべきコースは外角で、高さはベルト付近。センターから反対方向を狙うのならば、この一点に絞るべきだろう。フォークは捨てて真っ直ぐのタイミングだけで待つ。その上で、ストライクを取りに来た真っ直ぐが、ややすっぽ抜けたような球質ならばラッキーといったところか。