ジョニーとディカプリオが兄弟を演じた名作

この先どれだけ世相が変わっても、名作として残り続ける作品には“人の情”が描かれている。Z世代の落語家が『ギルバート・グレイプ』に見た希望_1
左からレオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップ
すべての画像を見る

昔の作品でも見たことがなければ新作映画!

一周まわって新しく映った作品の数々をピックアップする「桂枝之進のクラシック映画噺」、今回は、誕生から30周年を迎えた『ギルバート・グレイプ』(1993)をご紹介。

舞台はどこにでもあるような郊外の田舎町エンドーラ。ギルバート(ジョニー・デップ)は食料品店で働きながら、知的障害を持つ弟のアーニー(レオナルド・ディカプリオ)、夫の自殺から立ち直れず過食症になった母、2人の姉妹たちを支えて暮らしている。

ある日、ギルバートはトレーラー・ハウスで旅する少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会う。
エンジンが故障して足止めをくう彼女と過ごすうちに、ギルバートは一歩も町を出たことのない自らの生活を見つめ直していく。

先日まで製作30周年を記念したリバイバル上映が全国47館で行われており、筆者もYEBISU GARDEN CINEMAの上映初日に駆けつけた。

土地柄が作用しているのかもしれないが、20代の映画好きとおぼしき方も割合多く見に来ていた。かつて『タイタニック』(1997)や『砂の器』(1974)のリバイバル上映の際に感じた、周囲からの「君、スクリーン間違えてるよ?」と言わそうなアウェイ感がまったくないのが印象的だった。