「ではあるけれど……」「とはいえ……」などと、逆接表現に変えてみよう
そのように、食事に集中することが、その後の食欲や摂食行動に影響するといわれ、クッキーを用いたある実験では、昼食時に食べ物にしっかりと注意を向けて食事をする群は、食事に注意を向けなかった群に比べ、食後のクッキー摂取量が減ることを示しています。
また、マインドフルネスを食に応用した、マインドフルネス食観トレーニング(Mindfulness Based Eating Awareness Training)という、肥満に特化して開発されたプログラム(音声での指示がある)も注目されています。五感をフルに活用して「今、ここに」という意識で食事をしてみるのもいいかもしれません。
食事だけに集中することで、インターネットの情報にさらされない分、意識が自分へ向きやすくなり、背筋を伸ばして食事ができれば消化にも良いですし、自分の荷物に使っているスペースや、自分の立てている物音や振動など、隣の人への気遣いの余裕も生まれ、互いに気持ちの良い空間を過ごしやすくなりそうです。
次に「ぼーっとしてないで宿題を早くやりなさい」と何もしていない(かのように見えてしまう)我が子へ、日常的に口が動いてしまう人の場合には、「5分は待とう」と頭の中にタイマーを設定します。
その間に「何かおやつ食べる?」などと伝えてみれば、お子さんは満足し、おやつを食べて、リフレッシュしたあとに、自発的に宿題を始める可能性もあり、「ぼーっとしてないで〜」と言って、互いにストレスを感じることを避けられるかもしれません。
私たちは、自分にも相手にも、「いつものことだから」という視点に安心しきって、あらゆることを決めつけながら、毎日を繰り返しているようにも感じます。
「いつものことだから」という視点により、実際にあなたの予想が当たったときには、スムーズに物事に対処できそうですが、決めつけた考え方で的外れなことをしないよう、客観性を持っておくことは不可欠です。
まずは、口癖を「いつものこと」と言ったところまでで、「ではあるけれど……」「とはいえ……」などと、逆接表現に変えてみましょう。それができれば、当たり前のようにしてきた習慣や、言葉遣いを精査できて、より言動が洗練されていくでしょう。
文/吉原 珠央 写真/shutterstock
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