人とパソコンが対話しながら仕事をする

マイクロソフトは基本ソフトの「ウィンドウズ」に先立って、ワープロ「ワード」や表計算「エクセル」をはじめとするオフィスアプリ「Microsoft 365」にもコパイロット機能を導入し、これら定番の業務用ソフトもAIとの対話形式で操作できるようにしました。

今のところコパイロットは、あくまでサイドバーを経由したチャット、つまりテキスト形式の会話機能に限定されています。

しかし、いずれは音声認識機能と連携することで、私達が実際に口から発する言葉によってパソコンに指示を出し、パソコンの方でも合成音声による言葉で返事をするようになるでしょう。

つまり近い将来、私達はパソコンというAIロボットと音声で会話しながら仕事をするようになりそうです。

AIのおかげで、スキルやマニュアルが要らなくなる時代は人間にとって幸せなのか? “機械が人に合わせる”時代に突入しはじめている_2

昨今のパソコンは過去に比べて使い易くなったとはいえ、ユーザーが特定の仕事に必要なアプリの名前を思い出せなかったり、(表計算の)エクセルや(プレゼン用ソフトの)パワーポイントなどの複雑な操作方法を習得するのに時間がかかったりするなど、実はそれほど使うのが簡単ではありませんでした。

しかしコパイロットの導入などにより、これからは私達がパソコンに「あれしろ、これしろ」と命令するだけで簡単に(あるいは直観的に)使えるようになるのです。

また「クリエイティブ・モード」あるいは「面白モード」などと端末の性格を設定することで、パソコンの方でも「はいはい、わかりました。人(機械?)使いが荒いですね」などと軽口を叩きながら私達と一緒に仕事をするようになるかもしれません。

ここまで行くと、ほとんどSFの世界ですが、技術的には現時点でも十分可能な射程圏内に入ってきています。あとはマイクロソフトのようなメーカー側がそれを本当にやるか否か、あるいは私達ユーザーがそれを受け入れるかどうか、だけで決まってくるでしょう。

あくまで筆者の個人的な予想ですが、恐らく最終的にはそうなるような気がします。

もちろん会社のオフィスでは周囲の同僚達の視線や職場の雰囲気にも配慮して、せいぜいチャットでパソコンを操作するのが関の山でしょう。

しかし在宅勤務の会社員や個人事業主らが自宅で長時間働く場合等には、孤独を紛らわせるためにもパソコンの対話型AIを話し相手に働くということは、今後十分あり得ると思うからです。