画期的だった「年の差バラエティ」代表番組『クイズ!年の差なんて』

テレビで、長年にわたり続いているジャンルとして「年の差バラエティ」がある。

古くは、フジテレビで1988年から6年間レギュラー番組として続いた『クイズ!年の差なんて』が代名詞として思い浮かぶ。

司会は桂三枝(現六代桂文枝)と山田邦子。解答者はヤングチームとアダルトチームにわかれ、アダルトチームには若い世代の流行を、ヤングチームには古い世代の常識をクイズとして出題する形式であった。

当時のヤングチームの筆頭格は中山秀征、森口博子、ゆうゆ(岩井由紀子)といった面々。当然、今はみな50代後半のアダルト世代になっているわけだが、そんな人たちも若者を代表していた時代があったのだ。

余談ではあるが、あなたの職場の中年世代の方で、何かメモを書くときについ横に「なすび」の絵を描く人がいたらこの番組の影響である。詳しくは説明しないが「ゆうゆ なすび」で検索してほしい。

この番組が画期的だったのは、ヤングとアダルト両者が対等だったことだ。

SNSなどもなかった時代、たとえば職場においては「おじさんが常識知らずな若者を批判する」「古い世代が若い世代にこんなことも知らないんだと笑う」といったように世代トークは一方的に若い側が黙って聞くしかなかった。

若者側の「若い世代のことを古い世代は何も知らない」「おじさんは流行についていけてない」という思いは陰で愚痴るよりほかなかった。

そんな中、テレビの世界とはいえ、ヤングとアダルトが平等な立場でワイワイとギャップを楽しむ文化を根付かせたこの番組の功績は大きい。家族で楽しめるバラエティの一形態を作り上げたという意味でも意義深い番組であったと思う。