子ども持つ壁「家計苦しい」7割

少子化が加速するなかでも「子どもはいた方が良いと思う」と考える人は6割超に上った。結婚をした方が良いと考える人の割合より1割ほど多い。経済面の不安解消などで結婚のハードルが下がれば、出産増につながる可能性がある。

少子化が進む理由を問うと、最も多かった回答は「家計に余裕がない」の74.5%だった。「現役世代への家計支援が不足」「日本の将来への不安」も3割を超えた。若年層の所得増や日本の成長期待の醸成が少子化の改善につながる可能性がある。

【縮小ニッポンの本音】「親より豊か」は1割どまり、「家計が苦しい子持ち家庭」は7割、という統計の現実_4

育児の負担軽減も急がれる。特に女性の過度な育児負担は見直しが必要だ。少子化の原因を問う質問で「仕事と育児の両立が難しい」との回答を選んだ割合は男性の38.6%に対し、女性は60.8%に上る。「核家族化の進展でサポートを得にくくなった」「保育施設など支援体制が不足」も女性が男性より多かった。

世代間の意識の差も大きかった。子どもを持つことのマイナス面では、20代の32.5%が「仕事のキャリアに影響する」を選んだ。60代は10.5%だった。男女別・年齢別で最も高い20代女性(44.0%)と最も低い60代男性(2.0%)では40ポイント以上の差がある。

42.3%の人が少子化問題の改善に「職場の理解や人手不足」が壁になっていると感じていた。「仕事の内容や、早朝・深夜勤務といった労働条件の制約」も30.5%だ。人生設計や時々の生活に応じて柔軟に働き方を選択できるようにすることも重要だ。