打たれ強い人と打たれ弱い人の違いは?
打たれ強い遺伝子の人は、何か楽しみにしていることがある。あるいは子どものころ楽しんだことで、いまも楽しめる、という人も多いことがわかっています。子ども時代の本や学生時代のCDが本棚の片隅にある。ふと思い出し、引っ張り出してきて堪能できる。そのとき心配事は忘れています。「神経が図太い」という感じもあります。
対して、打たれ弱い人は、くよくよして不安になったり眠れなくなったり、イライラ機嫌が悪くなることも多い。いつも心配事を考えているが、堂々めぐりで決断できない。自分に自信がない、神経がか細い、ということでしょう。
忍耐については、先ほどのエディンバラ大学の研究において、「TNFRSF21遺伝子」が関係していることがわかりました。この遺伝子が脳の回路を増やす働きがあるかもしれないとしています。その内容は、忍耐力を持つための方法の一つとして、ある種のアミノ酸配列を含むタンパク質を摂ることでTNFRSF21を活性化させる、というものです。
簡単にいうと、私たちが忍耐強くなるために手軽にできることは、多くのアミノ酸をバランスよく摂取することなんですね。たとえば、豆類はおすすめです。豆類には必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸がバランスよく含まれ、しかもしっかり吸収してくれるからです。
話は変わりますが、日本の大ピンチ、明治時代の日露戦争で、無敵のロシアバルチック艦隊を破って未曾有の危機を救った名参謀秋山真之は、日頃より炒り豆(えんどう豆とそら豆)を、重要な作戦会議中もポケットから取り出し、ボリボリ食べていたそうです。えんどう豆もそら豆も、アミノ酸を豊富にバランスよく含んでいます。
日本の大ピンチを救った究極の名参謀は、つねに良質なアミノ酸を補充してTNFRSF
21を活性化させていたのかもしれません。
何でも食べる、多くの食材を摂る、日本で古くからよいとされてきた習慣は、忍耐強さだけでなく、ピンチをチャンスに変えてくれるすばらしい知恵だったようにも思えるのです。