コンビニ弁当やラーメンは体に良い?
食事を作る気力がない日は、食べ物を買ってきて家で食べてもいいし、外食してもいいと思います。中食や外食は、自炊より塩分や脂肪分が多くなる傾向がありますが、それを差し引いても、60代以降は「食べないこと」のほうが体にとってマイナスになるからです。
一般的に「体に悪い」と言われるコンビニ弁当も、60代以降であれば、食べないよりは食べたほうが体には良いのです。
「コンビニ弁当は添加物などが多くて、体に害があるのでは?」と思うかもしれません。たしかに、コンビニ弁当は、手作りのお弁当に比べたら、味付けも濃いので「体に悪そう」と感じるでしょう。
ただ、コンビニの弁当を見てみると、実にさまざまな食材が入っています。
たとえば、幕の内弁当ならば、鮭などの焼魚に卵焼き、野菜などの煮物にお漬物……など、実にいろいろなおかずが並びます。これを自分の家で作れと言われたら、相当難しいのではないでしょうか。
食材も、20〜30種類くらいは入っているはず。手作り弁当で、ここまで多彩な食材を使えることは少ないでしょう。食品添加物の害も通常10〜20年後の話なので、ある年齢になれば、それほど気にする必要がありません。
食材は偏らず、いろんなものを食べよう
「いろんな食材を食べること」は、健康を維持するためには大切なポイントです。しかし、健康志向が高い人ほど、「免疫力がアップする納豆は体に良いから、毎食、納豆ばかり食べる」「玄米は完全食だから、玄米しか食べない」など、何か特定の食べ物だけに偏りがちがちです。
この「特定の食品ばかり食べる」行為は、実は健康には逆効果です。
百歳以上まで生きた長寿の人たちが何を食べてきたかを検証した名著『長寿の噓』を上梓した、医学博士の柴田博先生も、「偏らないで何でも食べることが、長生きする秘訣だ」と指摘しています。
仮に栄養学的には何も意味がなさそうな食材であっても、その食べ物に含まれている「微量物質」と呼ばれる物質が含まれています。
同じものばかり食べ続けることで、これらの貴重な物質を摂取する機会を逃してしまい、体にさまざまな不調が生じます。
ただでさえ、60代以降は少しずつ栄養の吸収率が落ち、亜鉛などの微量物質が不足しがちです。食べ物が偏ってしまった結果、体に不調を起こしたり、精神を病んだり……という事態を引き起こしかねません。
だからこそ、一食でさまざまな食材が食べられるコンビニ弁当は、むしろ体に良いとも言えます。