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お酒とたばこは必ずしもやめなくてよい

昔から「飲む・打つ・買うの三拍子は昭和の男のたしなみ」だと言われてきました。

昨今、そんな言葉は流行らないと思われる方もいるでしょうが、60歳以降はむしろ「飲む・打つ・買う」を積極的にやっていくべきだと思います。

それぞれ、順番に解説していきましょう。

まず、お酒について。60歳以降、健康のためにお酒を過剰に制限する必要はありません。

アルコールの目安としては、翌朝、二日酔いにならない程度。翌日に残るほどの飲み方をするのは、適量をオーバーしているので控えましょう。

年配になると、「お酒は体に悪いからやめる」とお酒を完全に断つ人もいますが、お酒好きの人がこれをやるのはあまりよろしくありません。

たしかにアルコールは飲み過ぎると体に害を与えますが、60歳までお酒を飲んできた人ならば、ある程度自分の限界の酒量は分かっているはず。それまで飲んできた量から過度に量が増えることがなければ、問題ないと思います。

60歳以降の健康には欠かせない「飲む・打つ・買う」。友人との昼飲み、研究精神をあおる競馬、異性へのときめきを積極的に取り入れるべき理由_1
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アルコールが人体に与える害には、個人差があります。

たくさん飲む人であっても、60歳まで同じ量を飲んできて、体を壊していないのであれば、お酒を飲んでも体質的に問題ない人である可能性が高い。むしろ、お酒を過剰に制限して、ストレスをためるほうが体には悪いかもしれません。

余談ですが、たばこも同様です。たばこは健康に悪いものとして知られています。ただ、その害には個人差があり、90代になってたばこをプカプカ吸っていようが、元気でピンピンしている人もいます。

私の勤務していた病院に併設する老人ホームでの長期追跡調査によれば、60代になっても肺気腫などの病気にかかっていないのであれば、吸っている人と吸っていない人の生存率に差はありませんでした。無理に禁煙などを試みてストレスをため込むほうが、よっぽど体には悪影響です。