イキった田舎者って感じでスマートさに欠けます
前出の兄の同級生も、「大人」になった満生容疑者の変ぼうぶりに驚いたという。
「中学生のころまでと違って、ずいぶん印象が変わっちゃいましたね。彼はセダン型の黒いプジョーによく乗っていて、エンジンをふかしながら細い道をすごい速さで走るんですよ。しかもサングラスかけてシートを倒して片手運転ですから、危なくてしょうがない。まさにイキった田舎者って感じでスマートさに欠けますわ」
そもそも「山田家」は桁外れの金持ちで、地元では“殿様”のような存在だったという。
「子供ながらに彼の家は『別格』だと当時から感じていました。服装は派手でもないし、金持ち自慢もしないからイヤミなところはないんだけど、家にテニスコートはあるし、友達が10人以上で遊びに行っても悠々と過ごせるほどの部屋にテレビが3台あって、全員でテレビゲームができました。満生くんのお兄さんが地元のサッカーチームに入ったときは、ユニフォームも一新されましたからね」
子供時代から山田家の「金満」ぶりを見慣れていたはずの兄の同級生だったが、レベルの違う出来事を目の当たりにする。
「20年ぐらい前なんですけど、山田養蜂場に続く1車線の道路が通勤時に混雑するってことで2車線になったんですよ。山田養蜂場が急成長したのは関連会社の通販企業『株式会社ミコー』の力が大きいのは有名な話で、地元ではみんなミコー道路って呼んでますよ」
さらに地元を驚かせるような申し出をしたこともあったという。消防団員の50代の男性が語る。
「毎年、鏡野町に多額の寄付をしていて、『みつばち文庫』を通して全国の小学校に本もたくさん寄贈しているしね。だから、山田養蜂場に続く1車線の道を2車線に広げたりと町も優遇しているんだろうね。
毎夏行う納涼祭も養蜂場の大きな駐車場から花火を打ち上げていたし、地元では絶大な力を持っているよ。でも3年くらい前に、消防署に防災ヘリコプターを寄付したいと申し出をしたと聞いたときはひっくり返りそうになったね。しかも2億円くらいするすごいヘリなんだよ。維持費もかかるし、パイロットがいないからって断ったけど、それだけ潤沢な資金があるんだろうね」