ITの力で家族信託のハードルを下げる

ファミトラは、ITの力を使うことで、家族信託を低コストで提供することに成功している。

同社では独自開発したシステムを使い、信託内容の整理・提案を行う。ファミトラの担当者が、委託者の資産状況や家族構成、家族の希望などをシステムに入力していくことで、それぞれの家族に合った提案書が即座に作成される仕組みだ。このシステムにより内容整理にかかる時間を短縮でき、人的コストの削減につながった。

同社のマーケティング本部・広報部の山崎純氏に詳しい話を聞いた。

「今までは、弁護士や司法書士が、自分の経験を生かして家族信託に必要な情報のヒアリングを本人やご家族に行っていました。しかし、ファミトラではそれをシステム化したことで、必要な情報を漏れなくヒアリングできます。しかも、このシステムは家族信託に精通した専門家の知見を結集しているので、それぞれの家族に合ったオーダーメイドの提案ができるのです」

ファミトラの基本的な費用は、専用の銀行口座の開設費用や、公正証書化の費用、契約書作成費用など別途実費でかかる費用はあるものの、初期費用が5万円から、月額でかかる継続費用が980円からとなっている。従来の家族信託と比べると、はるかに低価格だ。

また、月額料金は委託者の年齢に応じて変わるが、たとえば80歳でも3180円。成年後見制度では毎月2〜6万円のコストがかかるので、それと比べると費用はずいぶん少なくて済む。

「私たちは、お金を預かる金融機関ではありません。あくまで信託契約を結べるようにコーディネートする立場です。契約の内容が複雑な場合は弊社の作業も増えてくるため費用は余分にかかりますが、基本的に、本人とそのご家族が、尊厳の保たれた幸せな老後を過ごして欲しいというのが願いです。(山崎氏)

価格が下がったことにより、これまで家族信託に踏み出せなかった人も利用しやすくなった。

「これまで家族信託を検討するのは、資産1億円以上の人など、富裕層に限られていました。しかし、ファミトラの価格体系なら、資産額2000万円くらいの世帯でも検討できるのではないでしょうか」と、山崎氏は展望を語る。実際、多くの人にとってはかなり身近な費用感なのではないだろうか。

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ファミトラの基本費用(写真提供:ファミトラ)