吐くまで食べることを強要された者
「防大では、約2000人の学生が学生食堂に集まって昼食を取ります。これを『一斉喫食』と呼ぶのですが、この際、1学年は目の前に座る上級生を楽しませるために、話し続けねばならないという、暗黙のルールがあります。
自分の失敗談でも、卑猥な話でも何でもいいのですが、とにかく、話し続けないと許されません。すこしでも沈黙すると『オメェ、なんで喋んねぇんだよ』と威圧され、また上級生のコップが空になっているのに気づかないでいると、『早くしろ(注げ)、ガイジかよ』と詰められます。
私は口ベタなので、これが本当に辛かった。上級生の機嫌を取るのが上手い同期は、それだけで気に入られて、ささいなミスは見逃されたり……コロナ禍の学生舎は最悪の状況でしたが、一斉喫食が中止されたことだけはよかった」
いびられる1学年の中には、一斉喫食の際に、吐くまで食べ続けることを強要された者までいたという(新井さんが実際に目撃)。
このような声は、学校長の耳にはついぞ届かなかったに違いない。國分元学校長は防衛大学校の「話し方のガイドライン」を好意的に記している。
〈ユーモアはよいがつまらないジョークを得意げに言うのはノー〉記事リンク(PRESIDENT Online)より
久保学校長は、等松教授が指摘した問題を「國分体制下の出来事」に押し込め、自身の体制下では「改善された」と主張している。しかし、その「根拠」を学生の作文に見出すのは、いささか的外れかもしれない。
〈最近私の手元に、1学年が出身高校に宛てた防大を紹介する文章が届きましたが、そこでは怖れていたあるいは予想していた、いわゆるパワーハラスメントがいかに存在しないかについての言及がきわめて多数あります〉防衛大学校長所感(防衛大学校ホームページ)より