iPadに比べてちょっと物足りない点も…
筆者はPixel Tabletを発売の前後から1週間以上使ってみましたが、iPad(第10世代)に比べると、やや物足りなく感じるポイントもありました。
ひとつは、Apple Pencilのような専用スタイラスペンと、Magic Keyboard Folioのようなポータビリティにも優れる専用キーボードがないことです。
Pixel TabletでもUSI(Universal Stylus Initiative)2.0に対応するスタイラスペンとBluetoothキーボードやマウスなどサードパーティの入力デバイスが使えます。
しかし、特に専用に設計されていないキーボードでは、製品によっては「かな/英数変換」などのキー操作が煩雑になることが多いため、わざわざキーボードを用意して外出時に持ち歩いて使おうという気持ちになりません。
もうひとつが、スマホのPixel 7/Pixel 6シリーズの上位機で使える「空間オーディオ」再生に対応していないことです。
没入感のあるサウンドを楽しめる空間オーディオは、約11インチの大きな画面がとても活きるエンターテインメントだと筆者は感じています。Googleには、空間オーディオに対応するコンテンツを増やすと同時に、それらをPixel Tabletで楽しめるように“なる早”でソフトウェア・アップデートなどを実施してもらいたいところです。
とはいえ、それはあくまでiPadと比較した場合の話。先述のように家族全員で使うホームタブレットとして、Pixel Tabletは非常に優秀なデバイスです。
今後は本機をスタンダードモデルとして据えながら、エンターテインメントやビジネス向け機能を強化した「Pro」や、本体にセルラー通信機能を付けて、専用のペンやキーボードと一緒にノートPCの代わりとしても使える「Business」など、Pixel Tabletのシリーズ化も進むかもしれません。
シリーズとしての今後の展開にも、期待が持てそうです。
文・写真/山本敦