モバイルビジネスを寡占するAppleとGoogle
「サイドローディング」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
サイドローディングとは、AppleやGoogleが支配するスマートフォンのアプリストアを経由せずに、アプリをダウンロードできるようにすること。これを巡り、現在日本政府とAppleが激しい議論を繰り広げている。
日本をはじめとする規制当局は、AppleやGoogleが「自由な競争環境を確保していない」として、サイドローディングを義務化し、モバイルアプリがより自由に流通できるようにすることを求めている。
開発者がApp StoreやGoogle Playを通じて有料アプリを販売すると、それぞれApple、Googleに手数料が入る。特にiPhoneにおいては、開発者以外、App Storeを避けてアプリをダウンロードする手段を一切用意していない。
ここに注目し、市場の公平性の観点から議論を進めてきたのが、内閣官房・デジタル市場競争本部事務局が実施するデジタル市場競争会議だ。「モバイル・エコシステムに関する競争評価」の中間報告では、「サイドローディングを義務付けるべきでは」との文言が登場している。
会議は主に非公開として行われており、すべての議論が見られるわけではないが、サイドローディングの義務づけを前提に会議が進められているのではないか?とAppleは危機感を募らせている。